コンパクトカー
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コンパクトカーの例
初代トヨタ・ヴィッツ / ヤリス
コンパクトカーとは、乗用車の形状の1つである。全長4,400mm級以上の一般的な「中型車」や「大型車」に対して用いられる。特にただし書きがない限り、日本ではそのうち登録車(=軽自動車以外)を指すのが一般的である。
目次
1 概要・定義
2 日本におけるコンパクトカーの歴史
3 ヨーロッパにおけるコンパクトカーの歴史
4 コンパクトカーの特質
4.1 利点
4.2 欠点
4.3 長所でもあり、短所でもある面
5 現代のコンパクトカーの例
6 脚注
7 関連項目
概要・定義
これといった明確な定義は存在しないが、日本では一般的に普通車のうち全長がおよそ4,200mm程度まで、全幅がおよそ1,700mm程度まで[1]の「5ナンバー枠」のサイズで、形はハッチバックやトールワゴンなどの2BOXタイプボディが主流である。場合によってはCセグメントも含まれ、カローラ系のハッチバック(トヨタ・オーリス(現・カローラスポーツで、全幅は1790mmと大柄である)、ブレイド、カローラルミオン)、日産・ティーダ、トヨタ・シエンタ、ホンダ・フリードなどもコンパクトカーの一種に含むことが多いが(これは、日本ではハッチバック=コンパクトなものが多いという認識に起因する)、同じクラスのセダンおよびミニバンはコンパクトカーに含まれない場合も多い。エンジン排気量は1,000 - 1,500ccクラスの直列4気筒のものが多いが、一部グレードや姉妹車に1,500cc超、車種によってはV型6気筒3,500ccもの大排気量エンジンを搭載しているもの(例:トヨタ・ブレイドマスターなど)もある。
米国におけるコンパクトカーはトヨタ・カローラ、日産・セントラ(日本名:日産・シルフィ)、ホンダ・シビック、マツダ・アクセラクラスの車を指す(欧州におけるCセグメント、日本におけるスタンダード~ミドルクラスに相当)。全長は4,200mmから4,700mm、エンジンは多くが4気筒エンジンを搭載するものが多く、排気量はおおむね1,500 - 2,500cc程度である。→en:Compact carを参照。なお、2016年現在における基準ではノッチバックセダン、およびクーペ、ステーションワゴンの場合、全長4,500mm以下・全幅1,700mm以下・ホイールベース2,600mm以下はそれぞれサブコンパクトカーに分類される。
ヨーロッパでは、Aセグメント[2]からBセグメントのハッチバックがおおよそ日本でいうコンパクトカーに該当する。ヨーロッパ諸国において主流となっているクラスである。日本にも主な車種が輸入・販売されている(後述)。以前より一部のカーマニアが物珍しさに購入していたが、1990年代からの価格の値下げ(日本車の同クラスの2-3割高程度まで縮小)や右ハンドル車・販売網・サービス体制などの拡充で、場合によっては国産車との比較対象に入る場合もある。[3]結果としてカーマニアではない一般のユーザー(国産車とユーザー層が同じ主婦など)が購入するケースも、かつてほど珍しいモノではなくなってきている。
モータースポーツではラリーやジムカーナ、ダートトライアルなど、小回りが重要な競技で用いられることが多い。特にWRCでは、現在下位クラス含め用いられているマシンの殆どはコンパクトカーである。
日本におけるコンパクトカーの歴史
1950年代
国民車構想の発表から、各方面から自動車産業への参入が見られ、現在に続く軽自動車規格が生まれるきっかけとなる。
1955年 - スズキ・スズライト
鈴木自動織機(現・スズキ)がロイト LP 400やシトロエン・2CVなどを参考にして独力で開発した4輪車。実用水準に到達し、商業的に軌道に乗った日本初の軽自動車と見られている。
1958年 - スバル・360
東洋一の航空機メーカーであった旧中島飛行機の技術陣が、そのノウハウを生かしたマイクロカー。優れた設計から、軽自動車の傑作となる。
1960年代
- 自動車そのものの普及(大衆化)を目指していた時代で、低廉な価格で必用十分な性能を得るため、各社とも、小型・軽量化に腐心する。また、消費者の上級・高級志向が予想以上に強く、各社とも販売開始直後に、見栄え、性能、装備の見直しを迫られる。
1960年 - 三菱・500
戦後改組された三菱重工業が、乗用車市場への本格参入を目指して開発。
1961年 - トヨタ・パブリカ 700
- 国民車構想に呼応し、シトロエン・2CVを目指しFF車として企画されるも、信頼性の高いFRとなり、結果として、トヨタ唯一となる空冷水平対向2気筒エンジンのみが残った。安価で信頼性の高い大衆車を具現化したが、簡素に過ぎた造りは市場からは敬遠され、その後のトヨタ車の行方を決定付けることにもつながる方針転換を迫られる。2代目からは、姉妹車としてダイハツ・コンソルテも加わった。
1963年 - ダイハツ・コンパーノ
- 当初は需要の多いライトバンからスタートし、ワゴン、ベルリーナ 2ドア、スパイダー、ベルリーナ 4ドア、トラックの順にラインナップを拡充。ビニヤーレでスタイリングされた、イタリアンルック。
- 1963年 - マツダ・ファミリア 800
R360クーペ、キャロルの上級車種として誕生。コンパーノ同様、ライトバン、ワゴン、セダン、トラック、クーペの順に拡充が図られる。ボディーを一周する流行の「ハチマキモール」をイタリアンルックのスタイリングはベルトーネによるもので、オールアルミエンジンの採用など、全体に新味があり、当時の大衆車の中では垢抜けた存在。
1965年 - 三菱・コルト800
ミニカの上級車、コルト 600の後継車として登場。ファストバックスタイルやハッチバックの採用など、水島製作所の威信をかけた意欲作。ランサーの登場により一旦消滅している。
- 1965年 - ホンダ・L700 / P700
- 2ドアのライトバンとトラックで、商用車でありながらホンダらしくDOHCエンジンを採用する。新規参入でも需要の見込める商用車として企画され、乗用車(セダン)は生産されていない。ユーザーの実状にマッチしないエンジン特性から失敗に終わっている。
1966年 - ダットサン・サニー 1000
日産自動車の小型車部門であるダットサン最後のエントリーモデル。従来型ダットサン 1000 / 1200(210型系)のブルーバードへの上級移行に伴い誕生。オースチン譲りの快活な動力性能や運動性、手馴れた造りと「枯れた技術」による高い信頼性と耐久性を誇る。
- 1966年 - スバル1000
- 航空機技術を生かした軽量モノコックボディー、水平対向エンジンの搭載、FF方式による車室のフラットフロア化等、先進性をアピールした。同社ではスバル 360と450を大衆車と位置づけていること、同時代の他社製大衆車とは大きく異なる構成であることなどから、コンパクトカーや大衆車として認識されることは少ない。
- 1966年 - トヨタ・カローラ
- 元々はパブリカとコロナの中間を埋める車種として企画された小型車として開発。実用性・機能性主義に徹したパブリカが商業的に成功を収められなかったことへの反省と経緯から、大衆ユーザーの上位志向に応じた「デラックス感」のある内外装を備えつつ、「乗る楽しさ=スポーティ性」を追求しトータルでの高い完成度を追求する「80点主義+α」の思想で展開、競合モデルのサニーよりも若干割高な価格設定でありながら装備と価格のバランスが良く割安感が高かったことが受け入れられ、登場直後にサニーを凌駕する人気を獲得、当初の目論見通り商業上の大成功を収めた結果、日本における小型大衆車の代名詞となった。
1970年代
オイルショックを経験することで、経済性や実用性の水準は一気に引き上げられ、後のニューファミリー層の台頭により、ファッション性や環境性能などの要求も高まる。
1970年 - 日産・チェリー
- 旧プリンス時代に開発され、合併後に日産初のFF車として時代を先取りしたスタイリングで登場。後にチェリー F II、パルサーへとモデルチェンジされる。
1972年 - ホンダ・シビック
- 日本車に「2ボックス」を定着させたパイオニア。後にCVCCエンジンで、自動車排出ガス規制にいち早く対応するなど、影響力は大きい。
1977年 - ダイハツ・シャレード
欧州製コンパクトカーのパッケージング手法を導入し、合理性の追求で従来の大衆車のイメージ(上級車を縮小したような安易な構成や、高級車への未練が見え隠れするなど)を払拭した。また、3気筒エンジンの採用も注目され1000CCであったため「リッターカー」とも呼ばれた。
1978年 - 三菱・ミラージュ
- 1980年代 -
- 経済性と実用性のみならず、「走り」も重視した「ライトウェイトスポーツ」、「ボーイズレーサー」(現在の「ホットハッチ」)が登場した。
トヨタ・カローラII
- ボーイズレーサーブームの1980年代初頭に登場。兄弟車として、ターセル、コルサもあり、80年代後半のモデルではTURBO搭載グレードやリトラクタブルも設定あり。1990年代以降は実用グレードを中心に展開。
トヨタ・カローラFX
- さらなる派生車種としてAE86レビンに搭載された、1.6ツインカム16バルブエンジン(4A-G)を搭載しスポーティな走りを可能とした。
トヨタ・スターレット
パブリカ後継となる実用性重視の廉価な車種。ターボチャージャーを搭載したモデルもあり、力強い走りを実現した。
日産・パルサー
- 2ドアクーペも存在した。1980年代中盤にはリア部分がハッチバック形態やクーペと載せ換えできるユニークな仕様も存在したが、国内では認可がおりず、どちらかの仕様で固定となった。兄弟車として、ラングレー、リベルタビラがあった。
日産・マーチ
- 初代モデルはターボ・モデルもあり、さらに国産車では現代までにおいて唯一のスーパーTURBOも存在した。なんと過給器がスーパーチャージャ+TURBOチャージャー付きという2つのシステムが搭載されていた。
日産・Be-1
- 初代マーチベース。限定車として一時プレミアがついた。日産パイクカーシリーズ第1弾。なんと、この年代のコンパクトカーとしては、2007年現在でも未だに流通している。
日産・パオ
- 初代マーチベース。日産パイクカーシリーズ第2弾。
ホンダ・シティ
- シビックより下位モデルとして、都会的センスあふれる小型車として登場。ホンダ市販車初のターボ搭載モデルも追加発売され、さらに進化していった。2代目になると当時のホンダ車のアイデンティティでもあるボンネット部を下げた低いスタイリングで不発とはなってしまったがクラス初の燃費にも貢献できる4速フルATやあまり重要視されなかった豪華装備が設定されるなど進化は大きかった。
ホンダ・CR-X/シビック
- 軽量ボデーに高出力エンジンを搭載し、FFレイアウトのコンパクトカーでありながら、スポーティーな走りを実現した。
マツダ・ファミリア
- 既に1970年代にもハッチバックモデルとして存在していたが、VWゴルフをコピーしたFF2BOXとしてモデルチェンジし大ブレイクし、チューニングカー/ドレスアップカーの始祖ともなった。
スバル・ジャスティ
- 自社の軽自動車レックスと小型車レオーネの間を埋めるべく、1980年代のコンパクトカーに参戦登場。更に日本の登録車初のCVT(ECVT)も設定。
スズキ・カルタス
- 米国GMでのOEM販売を目的に開発。国内では軽自動車ユーザーからの代替目的で販売された。DOHC搭載のスポーツモデルも発売。
- 1990年代 - 2000年代
- バブル崩壊に伴う経済低迷により、コンパクトカーも本来の経済性と実用性本位のコンセプトに回帰した。
- トヨタ・スターレット
- 1990年代に入っても快適装備を過剰とせず、トランスミッションの段数を減らした仕様を多数用意するなど、低価格で速い事で人気を保った。また、1996年に発売した5代目は、当時のコンパクトカーにはあり得ないほどの安全への配慮も行われた。特にシートベルトプリテンショナー/フォースリミッターは、当時かなりのコストが掛かるにも関わらず、ターセル兄弟共々標準装備された。
日産・マーチ
- 1992年にフルモデルチェンジ。丸みを帯びたデザインと実用性の高さで、ロングセラーの地位を守った。また先代同様欧州ではマイクラ名として親しまれる。
日産・キューブ
- マーチベースのトールワゴン。スペース重視の構造とボンネットが際立つ、ユニークなスタイリングが注目を浴び大ヒットとなる。
ホンダ・ロゴ
- 不発だった2代目シティ以降に名前も新たに登場する。2代目シティと逆のコンセプトであるため広い室内などマーチ同様実用性の追求、同社の同時期の登録車では採用されていなかった3ATを採用するなど低価格も武器としていたがまたも不発で更には1998年10月に軽自動車の規格改正に伴い各メーカーの軽セダン群も頭上空間が広くなるなど商品性も上がったため競合も激しくなり1代限りとなる。
ホンダ・キャパ
- ロゴベースのトールワゴン。トール型では珍しい全車フロアATシフトなど幅広いユーザーに使いやすい設計となっていたがキューブやファンカーゴ、bBといったライバルたちにシェア争いで破れ、またやはり同年10月に軽自動車の規格改正に伴い3代目ライフがキャパの縮小版的なフォルムで登場したためキャパは税制面で不利になるため1代限りで消滅した。
マツダ・デミオ
- *初代
- 1996年登場。「自由形ワゴン」の広告コピーが象徴する多用途性で、当時のマツダの経営不振脱出の推進役となった。
- 2代目
- 2002年登場。ボディーカラー13色+特別仕様色設定に見られるように、カラフルな色使いを特徴に打ち出していた。
- 3代目
- 2007年登場。大幅に路線変更され、ファッショナブルな外観になった。
- 4代目
- 2014年登場。先代のデザインを踏襲しつつ、マツダのデザインモチーフ「鼓動デザイン」を採用した。
- *初代
ダイハツ・ストーリア
- シャレードの後継車として登場。トヨタ・デュエットとは兄弟車。クローム鍍金をふんだんに取り入れ、お洒落感を演出していた。競技車両である「X4」は713ccのエンジンにターボチャージャーを取り付け120馬力という途方もないパワーを発揮した。
スズキ・ソリオ(90年代発売はワイド/プラス、2000年代はワゴンR ソリオ)
- 軽自動車の拡大版小型車として登場。欧州では、オペル・アジーラとしてもOEM販売された。ワイドにはハイトワゴン系では皆無であった5MTもあった。ワイド/プラスはこのクラス唯一(トヨタのTRD仕様などを除く)のターボ搭載車が存在し時期尚早なダウンサイジングエンジンであったが販売比率はそちらのほうが高かった。2010年に3代目に切り替わり、スライドドアのコンパクトカーへと進化した。2015年に登場した4代目は正常進化しつつ、新プラットフォームや、マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッドの設定などがされた。
- 2000年代
- 主なターゲット・ユーザ層が女性と言われ、経済性と実用性に加えてファッション性も重視されている。
トヨタ・ヴィッツ
- 初代
- 1999年登場。愛らしい丸みを帯びたデザイン。コンパクトカーの市場を変えたとも云われている。
- 2代目
- 2005年登場。丸みを帯びたデザインを継承しつつ、基本性能を高めた。
- 3代目
- 2010年登場。今までの丸みを帯びたデザインから脱却し、男性的なデザインに変わった。2017年にはハイブリッド車も登場。
- 初代
トヨタ・イスト
- フィットに対抗し登場。小型SUV的な車種としても注目される。2代目からはワイドボディとなり3ナンバー車として製造されている。2代目は初代ほどの成功を収めることは出来なかったが9年近く販売されていた。シャーシはヴィッツベース。
トヨタ・ファンカーゴ
- ヴィッツをベースに、より多機能、多用途向けに登場。ヴィッツ以上にエクステリア、インテリアともども丸みを帯びるスタイルであった。
トヨタ・bB
- 10代後半から30代前半までの若者層を顧客対象として登場。上記2車種と同じヴィッツベース(2代目はパッソ/ブーンベースで、兄弟車にダイハツ・クーとスバル・デックスもあった)。
- トヨタ・Willサイファ
- ヴィッツをベースに、より洗練されたデザインとし、そういったものを好む若者層を顧客対象として登場。
トヨタ・ポルテ・トヨタ・スペイド
- 初代
- 2004年登場。助手席側の一枚スライドドアを搭載した新感覚のフレンドリーコンパクトカーとして登場した。
- 2代目/初代
- 2012年登場。運転席側の後席に新たにヒンジドアが設定された。ポルテに加え、スポーティーなデザインのスペイドが新たに発売された。
- 初代
トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン
- 初代
- 2004年登場。デュエット/ストーリアの後継モデルで、トヨタのボトムを受け持つ車両として登場。
- 2代目
- 2010年登場。先代から一転、丸みを帯びたデザインに変更され、女性向けモデル「+Hana」が設定された。
- 3代目
- 2016年登場。衝突被害軽減ブレーキの新搭載や、新グレード「MODA」の設定がされた。
- 初代
ホンダ・フィット
- 初代
- 2001年登場。ロゴの後継車、センタータンクレイアウトなどの技術で室内空間が大幅に広がり、2002年には年間販売台数でカローラを抜く大ヒットとなった。
- 2代目
- 2007年登場。ハイブリッドカーおよび電気自動車(国内はリース販売、ただし3ナンバー車)も設定されたほか、スポーツグレードのRSでは国産の同クラスで初めて6速MTが設定された。
- 3代目
- 2013年登場。衝突被害軽減ブレーキの新搭載や、新ハイブリッドシステムの搭載で話題となった。
- 初代
三菱・コルト
三菱リコール隠しで売り上げが低迷した三菱の救世主として「コルト」の名が復活。国内ではそれほど売れていないが走行性能は極めて高く、欧州では高い評価と人気を得ている。この時期のコンパクトカーでは異例の設計が異なる新エンジン(シリンダーブロックの材質変更など多岐にわたるが、最も大きな違いはタイミングベルトからチェーンへの変更。通常はフルモデルチェンジにて行われる。)をモデル中期に入れ替え。「三菱・コルトRALLIART Version-R」は1500ccで163psを誇り、国産車最強のコンパクトカーとも言われている。
スズキ・スイフト
- 初代
- 2000年登場。SUV的な要素を加味されたコンパクトカー。非常に価格が安く、廉価グレード「SE-Z」に至っては79万円という一般的な軽自動車よりも安い価格だった。一方、スポーツグレードの「スイフト・スポーツ」も低価格を売りにしたが、エアロ等でスポーティに仕上げたのみでなく、エンジン変更、クロスレシオ化5速MT、足回り強化、この時期のコンパクトカーでは珍しい3ドア、オーバーフェンダー化など極めて本格的なスポーツ仕様であり、ある意味2代目より競技車両に近い車両であった。
- 2代目
- 2004年登場。先代スイフトの要素を廃し、一から作り直した世界戦略車。低価格ながら、ヨーロッパ車に匹敵する上質な走りは評価が高い。さらに走りに磨きを加えた上級モデル「スイフト・スポーツ」は、現行の国産車では数少ない1600ccエンジンを搭載するホットハッチでもある。
- 3代目
- 2010年登場。先代からキープコンセプトのまま進化。基本性能がさらに進化した。
- 4代目
- 2016年登場。新プラットフォームの採用や、マイルドハイブリッドの設定や、衝突被害軽減ブレーキの設定がされた。
- 初代
日産・ノート
- 初代
- 2005年登場。マーチより一回り大きいホンダ・フィットの対抗車種として登場。トランクルームに工夫を凝らしており、広めのキャビンと安い価格設定を売りとしている。現行の国産車では数少ない1600ccエンジンを搭載する「16X」と「16RZ」(スポーティグレード)も設定されていた。
- 2代目
- 2012年登場。ティーダとの統合車種としてフルモデルチェンジ。エコスーパーチャージャーの設定や、中期型で設定した衝突被害軽減ブレーキ、後期型で設定した新パワートレーン「e-POWER」の設定により、2016年11月には30年2か月ぶりに日産車が自動車新車販売台数ランキングで一位を獲得した。
- 初代
トヨタ・ラクティス
- 初代
- 2005年登場。ファンカーゴの後継車種として登場。ファンカーゴからコンセプトが一変し、スポーティーなハイトワゴンへと一変した。
- 2代目
- 2010年登場。先代のスポーティーさを継承しつつ、家族での使用も配慮された設計へと進化した。
- 初代
- 2010年代
- 近年増加中のダウンサイジングユーザーへ向けた質の高い車種や、ハイブリッドモデルの設定が多くなった。
トヨタ・アクア
- 2011年登場。ヴィッツベースのハッチバック。トヨタ初のハイブリッドコンパクトカーとなった。
ヨーロッパにおけるコンパクトカーの歴史
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この節の加筆が望まれています。 |
戦後欧州ではゴッゴモビール他、様々な小型大衆車が日本国内同様に登場し消滅したが、現代において有名な車種として、初代VWビートルに始まり、同様に約40年間に渡り基本的に同じモデルが製造販売されたミニを筆頭にシトロエン・2CVやフィアット・500あたりが源流。一時期は大型化へ進んだフィアット・128やシトロエン・GSがあるものの、オイルショック以降モデルチェンジされ新登場したフォルクスワーゲン・ゴルフIにルノー 5やフィアット・パンダといった小型車が開発され、当時のベストセラーとなった。この系譜を引き継いだのが後述の、輸入コンパクトカーである。
コンパクトカーの特質
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一般的に指摘されているもの[誰によって?]を挙げる。
利点
軽自動車よりサイズが大きい分、居住性が良い。- ボディサイズが小さく、狭い街路や駐車場に入れやすい(ただし、1.48m弱と車幅の狭い軽自動車には劣る)。
- 重量が1トン前後と比較的軽量であり、エンジンの排気量も手伝い燃費が良い。
エンジンは軽自動車に比べパワーとトルクに優れ、高速走行にも比較的向いている。
- 特に軽ターボと比較した場合、パワー・トルク・燃費・車両本体価格いずれも優れていることも珍しくない。しかも軽に比して排気量に余裕があるため低回転型となる。これは静粛性と追い越し加速時の再加速が容易であることを意味する。
- 量販モデルは軽自動車と本体価格差があまりなく、軽自動車の上位モデルとの比較ではむしろ安いことが多い。(ただし、税金などの諸経費込みの総額では同じ程度か、やや高めになる)[4]
- 登録車(白ナンバー)であるため、大きな車では扱いにくい[5]などの理由で小さな車が欲しいものの、「軽自動車では恥ずかしい」、「軽は小さいので安全性が心配」「軽では室内幅が狭い」とユーザーが考えた場合は、必然的にこのクラスを選択することになる。
- 軽自動車の定員は最大4名であるが、コンパクトカーの定員は例外を除き、通常5名である。
- 都市部では、軽自動車と維持コストを比較した場合、税金・保険料の差などの軽自動車のメリットが、賃貸駐車場代等の維持費用を考慮するとさほどメリットにはならず、上記の実勢価格などを考慮すると軽自動車を所有するよりかえって安くなることもある。
- 一般的に車体全長がセダン、クーペ、ステーションワゴン、SUVなどの常用車と比較して短く、それらの車種では駐車困難な狭いスペースにも容易に駐車させる事が可能である。
欠点
- 日本では軽やフルBセグメント以下の小型セダン(カローラアクシオ(ただし同車をベースとしたクラシック風カスタムカーの光岡・リューギは除く)、グレイス、ラティオなど)との関係上、税金[6]や車両本体価格(後述)に割高感があるなど中途半端なクラスと見なされることがある。
- 上下車格の車種との車両価格差があまりない。それらの車種が大幅な値引きを行った場合、価格が逆転することがあり得る。それどころか、場合によっては定価の時点でそれらより高額な場合さえある[7]。
一般的にセダン、クーペ、ステーションワゴン、SUVと比較して車格が下であると見做される為に、より高い車格の車を求めるユーザーからは敬遠される。[要出典]
- 国内向け車種では基本的に街乗り用として設計されていることから、上級小型車に比べ連続長距離高速走行では疲労が蓄積する。
- ボディサイズは小さめながらも、居住性重視によりFFレイアウトを生かしたロングホイールベースの車種が多いため、車体サイズの割に小回りが利かない車種も散見される。特にヴィッツRSは5.6mにもなってしまっている。また、トレッドもホイールベースの割に広く、乗り心地が上位車種と比べると良いとはいえない。
- 最近のコンパクトカーは安全対策上、車幅が1,680 - 1,695mmと小型車枠一杯かそれに近いものが多い。2018年現在、車幅が1,670mm以下の(小型車(5ナンバー)枠より3cm以上狭く設計されている)国産コンパクトカーはダイハツ・ブーン(OEMのトヨタ・パッソを含む)、ダイハツ・トール(OEMのトヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティを含む)、日産・マーチ(同車をベースとしたクラシック風カスタムカーの光岡・ビュートなでしこを含む)、スズキ・ソリオ(OEMの三菱・デリカD:2を含む)、スズキ・イグニス、スズキ・クロスビー、三菱・ミラージュの13車種(実質的には7車種)であり、車幅が狭いタイプのコンパクトカーは一時実質3 - 4車種程度にまで減少したものの、近年は再び増加傾向にある。しかし、これら以外の車種は軒並み小型車枠一杯かそれに近い車幅で設計されている。これはワンクラス上のハッチバックや小型セダンと同等の数値であり、さらには一部のミディアムセダンとも同じ車幅にまで膨らんでしまったため、狭い道のすれ違いや隘路における通行などに響く。(それどころかトヨタ・istは2代目の登場、BMW・MINIは3代目の登場により、またトヨタ・アクアのSUV風グレードである「クロスオーバー」とホンダ・フィットの電気自動車仕様は、それぞれ3ナンバー枠に突入してしまい、もはや「コンパクト」カーとは呼べない車種まで出現した。)そのためすれ違いに不安があり車幅の狭さを求める顧客にとっては選択肢が非常に限られたものとなってしまい、軽自動車などを選択する事が散見される。
- 戦後早くに造成された住宅地や、農道などではオート三輪や昔の車両のサイズを参考に設計されているため、現在では軽自動車以上の車両では通行が困難な場合がある。また、踏切などで軽自動車や普通自動二輪車以上の車両の通行止めが標識によって提示されている場合も多く、その場合は迂回が必要となり手間が掛かる。(もっとも、そこまで極端なケースだと仮にボディの小さな登録車を作ってもダイハツ・ミラジーノ1000の例のようにターボチャージャー付きエンジンが搭載された一部の軽自動車に動力性能で劣ると思われる。)
- 全長が短いため、万一の衝突時の安全性に不安を感じる向きもあるが、近年のモデルではボディ剛性強化、衝突安全ボディーの採用などにより、衝突安全性の改善が計られている。
長所でもあり、短所でもある面
- 軽自動車と比較した場合、中古車市場価格が軽に比べ安めとなっている。
これは中古車購入時には長所(同程度以下の予算で、走行距離が少なく程度が良い掘り出し物が多く見つかる)となる一方、売却時には短所(一般的なクーペやセダンほどではないものの、それでもリセールバリューが低く、買い叩かれやすい)となることを意味する。また、税金、任意保険料、車検代等は軽自動車の方が安いが、古くなった場合の車体全体のヤレ(疲労度)が違う。コンパクトカーは古い年式になると程度が良くても、購入層が少ないので店頭で売れにくく、走行距離が少なくて程度がよくても同じくらいの価格である。そのため程度の良いコンパクトカーを見つければ、修理費用がかからないので、同程度の価格で販売されている中古軽自動車より維持費用が安く上がるとも考えられる。
一般的に車体全長がセダン、クーペ、ステーションワゴン、SUVなどの常用車と比較して短く、それらの車種と比較して空間認識能力や運転技量が低いユーザーにも操縦しやすいが、その為にコンパクトカーの所有者や運転者は運転技量が劣っていると見做される場合がある。[要出典]
現代のコンパクトカーの例
ここでは、日本においてコンパクトカーと扱われているものについて記載する。
☆が付与された車種は既存の車種をベースとしたカスタムカー
★は電気自動車
(E)は日本メーカー製日本国外専売車種
トヨタ - ヴィッツ(ハイブリッド含む)、パッソ、アイゴ(E)、ポルテ、スペイド、エティオスリーバ(E)、アクア、ルーミー、タンク、アギア(E)、ウィゴ(E)
日産 - マーチ、キューブ、ノート(e-POWER含む)、ダットサン・GO(E)、ダットサン・mi-DO(E)
スズキ - スイフト、ソリオ、アルト 800ccモデル(E)、セレリオ(E)、イグニス、クロスビー
ホンダ - フィット(ハイブリッド、EV含む)、ブリオ(E)
マツダ - デミオ(EV含む)
三菱 - i-MiEV★(2018年4月改良型以降)、デリカD:2、ミラージュ
ダイハツ - ブーン、トール、アイラ(E)
SUBARU - ジャスティ
光岡 - ビュートなでしこ☆(ベースは日産・マーチ)
メルセデス・ベンツ - スマートシリーズ(フォーツーKを除く)
BMW - MINI
フォルクスワーゲン - ポロ、up!
アウディ - A1
オペル - コルサ[8]、アダム
アストンマーティン - シグネット
シトロエン - C2、C3、DS3
プジョー - 1007、206、207、208
ルノー - ルーテシア、トゥインゴ、カングー
フィアット - パンダ、グランデ・プント、500
アルファロメオ - ミト
ランチア - イプシロン
シュコダ - ファビア
ダチア - サンデロ
セアト - イビサ
フォード - フィエスタ
ヒュンダイ - TB、i20
韓国GM - マティス[9]、シボレー・アベオ
キア - リオ
タタ - インディカ
プロトン - サプリマS
プロドゥア - マイヴィ、アジア
脚注
^ 5ナンバーサイズの制約があるため。ただし、例外的に全幅が1,700mmを超え3ナンバーサイズとなっているものもいくつか存在する。
^ Aセグメントはどちらかというと日本でのコンパクトカーよりは軽自動車に近いが、軽規格に囚われていないため横幅や排気量に関して軽よりも大幅に大きくなる。
^ たとえばVW・up!は軽自動車ユーザーを狙い撃ちにするかのようなキャンペーン攻勢を仕掛けたことがある。
^ 各々標準カタログ掲載モデルのベースグレード(AT車)同士で本体価格比較すると、ホンダ・ライフ「C」(約95.5万円)や三菱・eKワゴン「M」(98.2万円)と三菱・コルト「1.3 Limited」(99.8万円)のケースのように、価格差が殆どないケースが存在する。それどころかスズキ・ワゴンR「FX」(107.1万円)やダイハツ・ムーヴ「L」(112万円)とトヨタ・ヴィッツ「1.0F Mパッケージ」(106万円)のように、軽の方が高く付くケースさえ存在する。(2011年3月15日、各社公式サイト参照。)
特にライフDiva、ワゴンRスティングレー、eKスポーツ、ムーヴカスタムのようなエアロバージョンの場合は総じて車両価格が150万円前後(2011年3月現在)となってしまっているため、とりわけターボによる高出力を求めてそれらのグレードを選ぶ場合はコンパクト - トヨタ・カローラアクシオなどのフルBセグメントクラスの登録車の方がトータルで安上がり(その上高出力・低燃費)になるケースもあり得る。
^ かつて5ナンバークラスであった車両、とりわけすぐ上のCセグメントに属する車両が海外市場を考慮するなどして3ナンバーになったケースはシビック、ファミリア→アクセラ、ブルーバード→シルフィ、ランサー(ギャランフォルティス)、コロナ/カルディナ→アベンシス、カローラ(特にFX→ランクス)→オーリス、インプレッサ……と枚挙にいとまがない。
^ 軽自動車のような優遇税制がない上、1,000cc未満のモデル以外はカローラアクシオ、グレイス、ラティオなどの1,000cc以上1,500cc未満の大衆セダンと(税制上では)同じクラスとして扱われる。
^ 例:XP130型系ヴィッツ……唯一MTが選べるRSは188.3万円という販売価格となっており、同形式のエンジンを搭載するE160型系カローラアクシオのMT車より18万円(1.5G 5MT車) - 43万円(1.5X ビジネスパッケージ 5MT車)以上も高くなってしまう。2015年9月19日、トヨタ公式サイト掲載データより。
^ 日本では、オペル・ヴィータとして販売されていた。
^ 日本では排気量ゆえ1000cc未満の登録車として扱われるが、本国(韓国)ではキョンチャ(軽車、日本の軽自動車に相当)に該当する。
関連項目
- 大衆車
- ミニカー (車両)
- バブルカー
- 軽自動車
- 小型自動車
- ハッチバック
- トールワゴン
- ホットハッチ
- サブコンパクトカー
- リッターカー
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