インチ



























インチ
inch
記号
in, ″
系
ヤード・ポンド法
量
長さ
SI
正確に 25.4 mm(国際インチ)
定義
1⁄12 ft
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インチ(inch、記号:in)は、ヤード・ポンド法の長さの単位である。国際インチにおける1インチは正確に25.4ミリメートルと定められている。1インチは1国際フィート(= 正確に304.8ミリメートル)の12分の1であり、1ヤード(= 正確に914.4ミリメートル)の36分の1 である。




目次






  • 1 単位記号


  • 2 呼び名


  • 3 国際インチ


  • 4 歴史


    • 4.1 由来


    • 4.2 十進インチ


    • 4.3 イギリスインチとアメリカインチ




  • 5 工業での使用


    • 5.1 由来がインチサイズである工業製品


    • 5.2 インチねじ




  • 6 分量単位


    • 6.1 サウ


    • 6.2 ライン


    • 6.3 パイカ


    • 6.4 分・厘




  • 7 組立単位


  • 8 出典


  • 9 関連項目





単位記号


インチの単位記号は、ISOにおいてもJISにおいても「in」と定められている[1]。これを受けて、日本の計量法でも単位記号は「in」としている。(計量単位規則別表第六[2])。


イギリスの人文系論文のスタイルマニュアルである、en:MHRA Style Guide では、曖昧さを除くために、単位記号を「in.」とピリオドを付するように定めている[2]。


「″」(ダブルプライム記号)によっても書かれる。例えば「10″」は10インチの意味である。「″」はしばしば、不正確だが「”」(閉じ二重引用符)や、ASCIIの「"」(引用符)や「''」(アポストロフィ2つ)とも書かれる。


フィートは「′」(プライム記号)で表記されるので、「5′10″」は5フィート10インチを表す。


なお、「′」と「″」は、時間の分と秒、角度の分と秒の表記にも用いられるので、「5′10″」は時間または角度の5分10秒とも読め、文脈によっては混乱を引き起こすおそれがある。



呼び名


インチの長さは、東アジアで用いられる寸(約3センチメートル)に近い。そこで、中国ではインチのことを「英寸」と呼んでおり、日本では明治時代に「吋」という国字が作られた。


現在の日本では、計量法の規定により「インチ」そのものを取引・証明に使えないので、インチ規格を「型」と呼ぶ。たとえば「30型テレビ」など。



国際インチ


「インチ」(またはそれに相当する言葉)は時代によって、また国によって異なった値をとった。それらはほとんど統一されたか、あるいは、統一される前にメートル法の単位に置き換えられた。今日、ほとんどの国において、「インチ」といえばそれは国際インチ (International inch) のことを指す。


国際インチは、正確に0.0254メートル(25.4ミリメートル)と定義されている。この定義は、アメリカ合衆国、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの6ヶ国が1958年に協定を締結し、1959年7月1日に発効したヤード(国際ヤード=正確に0.9144m)の定義に基づくものである[3]。


新聞などで「1インチ(約2.54cm)」などという記述が今でも見られる[要出典]が、国際インチにおける1インチは正確に2.54cmであり、「約」という表現は不要かつ不適切である。



歴史



由来


元々のインチは、男性の親指(爪の付け根部分)の幅に由来する身体尺だったとされている。古代ローマにおいて、フィートと関連づけられてその12等分した長さが1インチとされた。


インチ (inch) という言葉の語源は、ラテン語で「12分の1」を意味する uncia であり、質量の単位であるオンスと同一語源である。古英語の ynce(ユンチェ)を経て、inch となった。


また、親指の幅であることから「親指幅」とも呼ばれた。現在でも、多くの言語でこの単位は「親指」という言葉に似た、または同じ名称で呼ばれている。






































言語 インチ 親指
フランス語 pouce pouce
イタリア語 pollice pollice
スペイン語 pulgada pulgar
ポルトガル語 polegada polegar
スウェーデン語 tum tumme
オランダ語 duim duim

イギリスでは、伝統的に大麦の穂の中央から取った1粒の縦の長さをバーリーコーン (barleycorn) と呼び、これを長さの単位としていた。イングランド王エドワード2世は、3粒を縦に並べた長さを1インチと定義した。



十進インチ


19世紀、スウェーデンではメートル法への移行が行われた。まず、1855年から1863年までの間で、インチが、フィートの1⁄10である十進インチ(約0.03メートル)に置き換えられた。十進法を導入することで計算が単純化されるとして導入されたが、他国で使用されていた1⁄12フィートのインチと1⁄10フィートのインチの2種類があることで余計に複雑になってしまったことから、1878年から1889年にかけてメートル法の単位が導入されることになった。



イギリスインチとアメリカインチ


イギリスとイギリス連邦諸国は、「帝国ヤード標準原器」の12分の1の長さ、約 25.399 8 mm(いわゆる「イギリスインチ」)としていた。


アメリカ合衆国では1893年、メンデンホール指令 (Mendenhall Order) により、1インチ=100⁄3937メートル(いわゆる「アメリカインチ」)と定義された。したがって、1インチ = 約25.400050800102 mm であった。カナダもこれを採用した。


いくつかの国では、1959年以前に行われた測量の結果の互換性のために、1959年以降も、以前に測量のために使われていた各国ばらばらのフィートの定義を保持している。これを測量フィート (survey foot) という。たとえば、現在もアメリカ合衆国測量フィート (U.S. survey foot) としてアメリカフィートが使われている。ただし、このような制度はフィートのみに適用されるのであり、アメリカインチが合衆国内の測量に使われることはない。



工業での使用



由来がインチサイズである工業製品


日本においては、インチというヤード・ポンド法の計量単位を使用することは、特別の場合(ヤード・ポンド法#日本における使用)以外は計量法上、禁止されている。したがって、以下の製品のサイズ表記は、- 型と表記されるか、表記寸法が単に 25.4 mm の倍数となっているが、「インチ表記」ということではない[4]。




  • IC、LSI、関連電子部品(特に端子間隔)


  • テレビ受像機、ディスプレイモニタ(ブラウン管の対角寸法、FPDでは表示部の対角寸法)


  • フロッピーディスク(媒体の直径)


  • ハードディスクドライブ(媒体の直径)


  • 磁気テープ(媒体幅。なお、長さの単位としてはフィートを使う)


  • コンピュータ関連の、コネクタなど多くの構成部品

  • アメリカ製自動車の、ねじなど構成部品


  • 自転車や自動車のタイヤの内径とホイールの直径及びリム幅に用いられている。自動車ではこのほかにも、クラッチディスク径、デファレンシャルリングギア径、ブレーキピストン径、ナット座ピッチ直径などにインチ由来の数値や呼び径が見られる。

  • 航空機部品(たとえばSAE Internationalによる工業規格AS568は航空機油圧用の固定用Oリングを規定し、元来がインチ単位のためメートル単位では端数が生じる)

  • 柱時計の文字盤のサイズ


  • 配管材など(近年ではまず表記されないが、内径はインチ単位がベースである)


  • ねじ土木・建築ではインチ系列であるウィットねじが用いられる場合も多い。

  • パソコン用ねじ3.5インチハードディスクドライブの固定用ねじやパソコン関係には米国が採用しているユニファイねじが用いられる。現在は、直径 4 mm 以上では、ISOねじと互換性がある。


  • 銃火器口径(100分の1インチが1口径である)

  • 楽器のドラム(直径ほか)


()内はインチで表される部分の例


特に、インチ規格部品と、ISO規格部品が混在し、製造上問題になるのは、パーソナルコンピュータなどの電子機器である。
メートル法を使う国々でも、このような、アメリカやイギリスを起源とする商品は、互換性の維持のため、製造設備の設計上の理由、または商慣行上、現在もインチ単位を基準に設計・製造されることがある。



インチねじ


インチねじは、ねじ山のピッチがISOミリねじ規格より粗く、直径とピッチがインチ単位で作られている。インチねじにはいくつかの規格があるが、主に使われるのはユニファイねじとウィットワースねじである。日本国内で生産される商品としては、3.5インチハードディスクドライブの固定用ねじや、カメラの固定ねじ等に用いられている。これら精密機械に使われる小径ねじはユニファイであることが多い。ウィットワースは建築関係で用いられる太い径のものが多い。



分量単位





1⁄32インチ目盛りのメジャー


インチより細かい長さは2の冪 (2, 4, 8, 16, …)を分母とする分数で表すことが多い。



サウ



工学分野では、サウ (thou) またはミル (mil) という単位が国際インチの1000分の1 (25.4 µm) の意味で用いられることがある。今日では、サウやミルは用いず、SI単位を使用すべきとされている[誰?]。



ライン



1⁄12 インチ = 2.117 mm をラインと呼び、単位記号「‴」(トリプルプライム)で表す。



パイカ



印刷などではパイカ(現在のDTPでは1⁄6インチ、約 4.233 mm)およびポイント(パイカの1⁄12、約 0.353 mm)を使用する。



分・厘


1⁄8 in (= 3.175 mm) は尺貫法における1分(= 0.1寸 = 約3.03 mm)に近いため、日本では「1⁄8 in ≒ 1分」とみなして、インチ規格を分や、さらにその1⁄10の厘(= 0.01寸 = 0.1分)で表すことがある[5]。大工や機械工などの間で使われる。これらは「1フィート≒1尺」とみなすことに相当する。


主に使われるのは表の呼び名になる。











































分 インチ mm
6分
3⁄4 in
19.0500 mm
5分
5⁄8 in
15.8750 mm
4分
1⁄2 in
12.7000 mm
3分
3⁄8 in

09.5250 mm
2分
1⁄4 in

06.3500 mm
1分
1⁄8 in

03.1750 mm
5厘
1⁄16 in

01.5875 mm


組立単位



  • 平方インチ

  • 立方インチ



出典





  1. ^ ISO 31-1:1992(翻訳は、JIS Z 8202-1:2000 量及び単位−第1部:空間及び時間) 付属書A(参考)フート、ポンド及び秒を基本とする単位及びその他の単位 (なお、「これらの単位は、用いない方がよい。」との記述があることに注意)


  2. ^ MHRA StyleGuide p. 49.


  3. ^ Barbrow, Louis E. and Judson, Lewis V. (1976). Weights and measures standards of the United States: A brief history (NBS Special Publication 447). Washington D.C.: Superintendent of Documents. Appendix 5. The United States Yard and Pound, Refinement of Values for the Yard and the Pound, pp. 30–31.


  4. ^ [1] Q:スポーツ用品(ゴルフクラブ、ボウリング、釣り用品等)、テレビ、フロッピーディスクについて長さや重さをインチやポンドによる表示を付して販売や譲渡等ができるか。(計量法第8条第1項関連)
    A:テレビ等で行われている○×型というような表示は、製品の種類、規格等を示すものであり、消費者もインチ表示として捉えるのではなく、テレビの種類、規格等を表すものとして理解した上で、製品の購入の際の判断をしているものと考えられる。したがって、○×型という方式で表示を行う場合、非法定計量単位を用いたことにはならない。



  5. ^ ヤクモ株式会社 単位のイロイロ(後編)




関連項目



  • 長さの比較

  • 単位の換算一覧






















































































長さの単位

メートル(SI単位)
インチ フィート ヤード 寸 曲尺 鯨尺
1 m
= 1
≈ 39.370
≈ 3.2808
≈ 1.0936
= 33
= 3.3
= 2.64
1 in
= 0.0254
= 1
≈ 0.083333
≈ 0.027778
= 0.8382
= 0.08382
= 0.067056
1 ft
= 0.3048
= 12
= 1
≈ 0.33333
= 10.0584
= 1.00584
= 0.804672
1 yd
= 0.9144
= 36
= 3
= 1
= 30.1752
= 3.01752
= 2.414016
1 寸
≈ 0.030303
≈ 1.1930
≈ 0.099419
≈ 0.033140
= 1
= 0.1
= 0.08
1 尺(曲尺)
≈ 0.30303
≈ 11.930
≈ 0.99419
≈ 0.33140
= 10
= 1
= 0.8
1 尺(鯨尺)
≈ 0.37879
≈ 14.913
≈ 1.2427
≈ 0.41425
= 12.5
= 1.25
= 1



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