ハードル
ハードル
- 木枠に編んだ小枝で覆った簡易な垣根。編み垣。
- 障害走のコース設営に用いられる器具。本項で解説する。
ハードル(hurdle)とは、陸上競技の障害走において使用される道具。10kg以上の重さがあり、高さの変更が可能となっており、3.6kg以上の力で押されると倒れる仕組みになっている。バーの長さは118~120cm、高さ70mm厚さ10~25mmで、ハードルの基底の長さは700mm以下で、基底には位置の調節が可能なおもりがついている。
ハードル競走
ハードルはハードル競走の際、競技レーンに一定の間隔をおいて設置される。選手は競技の際にこれらのハードルを跳躍しながらゴールを目指すこととなる。競技規則第168条(7),(8)により、故意にハードルを倒したと審判長が判断した場合は失格になるが、跳躍の流れの中でハードルが倒れた場合は失格にならず、記録も認められる。ただしハードルに当たりながら進んだ場合は反動で走行スピードが低下するため、選手は極力ハードルを倒さないようにして走行するのが一般的である。また選手がハードルの横を通り抜けたりくぐったり、あるいは隣のレーンのハードルを倒したりした場合は失格となる。
ハードルを飛び越えながらの走行となるため、ハードル跳躍のない他のトラック競技とはストライドや走行フォームなどのノウハウが大きく異なる。
使用される種目と高さ
100メートルハードル
- 一般女子 840mm
- 中学女子 762mm
110メートルハードル
- 一般男子 1067mm
- 男子ジュニア 991mm
- 中学男子 914mm
400メートルハードル
- 男子シニア及び男子ジュニア 914mm
- 男子ユース 840mm
- 女子 762mm
このように、ハードルの高さは、元来イギリスの単位であるインチ、フィート、ヤードに基づいて作られているため、現在使われているメートル法において半端な数字となる。なお、これは、ハードルの高さにおいてだけでなく、ハードル競走の長さ(110mHのインターバル、110mHのスタート~1台目)、テニスのネットの高さなどにおいても同様である。
- 762mm → 2.50フィート
- 840mm → 2.75フィート
- 914mm → 3.00フィート
- 991mm → 3.25フィート
- 1067mm → 3.50フィート(3フィート6インチ)
日本語における用法
日本語の日常会話においては、「集客の難しさがハードルとなっている。」など、物事の達成の障害となる要素の意で用いられる。
また、競技において高さが異なるハードルがあることから、「この機械は初心者にはハードルが高い。」など、ハードルの高さを物事の達成の難易度に比喩する。
また、平成期には走高跳のバーとの混同でハードルの高さを自由に調節できるとの認識から、物事の許容水準あるいは評価水準を高くすることを「ハードルを上げる」などと表現することもあった。