歯擦音化




歯擦音化(しさつおんか、Assibilation)とは、子音が破擦音や歯擦音に変化すること。


歯茎音 t, d や軟口蓋音 k, g の口蓋化に次いで歯擦音化が起きた例は、多数の言語の歴史に見られる。




  • ラテン語 ci [ki] → 俗ラテン語(・イタリア語)[tʃi] → フランス語 [si]

  • ラテン語 -tio [tio] → 俗ラテン語 [tsio](・イタリア語 -zione [tsione] )→ フランス語 -tion [sjɔ̃]


また、高地ドイツ語の第二次子音推移の一環として、次のような歯擦音化が見られる。




  • 英語 ten → ドイツ語 Zehn

  • 英語 water → ドイツ語 Wasser



日本語


日本語では、中世にチ・ヂ・ツ・ヅに歯擦音化が起こった。それ以前は ti, di, tu, du という発音だったと考えられている。その後、多くの方言でさらにジ・ズも破擦音化したため、ジとヂ、ズとヅの区別がなくなった(四つ仮名)。


チ・ヂの歯擦音化は口蓋化の進展によると解釈できる。ツ・ヅのみの歯擦音化は他言語に類例が少なく(上記の第二次子音推移は後の母音に関係なく起きている)、理由は明確でないが、日本語のウ段は円唇性が低い狭母音であること(特にス・ツで顕著)との関係や、ツの母音の無声化に関係してサ行(シ・ス)と並行的に歯擦音化した可能性などが論じられている。[1]



出典




  1. ^ 高山知明、タ行ダ行破擦音化の音韻論的特質[1]




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