事務管理コード








事務管理コード(じむかんりコード)とは、日本国有鉄道(国鉄)が定めたコード番号である[1]。旅客営業取扱基準規程(旅程)では、単に「コード番号」と呼ばれているもので[† 1]、「駅番」と表現されることもあるが、広くは「事務管」「事務管コード」と認知されている[† 2]


本稿では、事務管コードに加えて、旅客営業取扱基準規程に定めるコード番号についても取り上げる。




目次






  • 1 概説


    • 1.1 事務管コードが使用される例


    • 1.2 事務管コードが付与されている駅・停車場




  • 2 国鉄・JR線の事務管コード


    • 2.1 コード番号の仕組み


    • 2.2 国鉄鉄道管理局・JR支社の番号


    • 2.3 特定都区市内制度などによる特定コード番号




  • 3 会社線の事務管コード


    • 3.1 コード番号の仕組み


    • 3.2 駅・停車場以外の事務管コード




  • 4 その他のコード番号


    • 4.1 経由駅コード


    • 4.2 接続コード


    • 4.3 貨物取扱駅コード




  • 5 脚注


    • 5.1 注釈


    • 5.2 出典




  • 6 参考文献


  • 7 関連項目





概説



事務管コードが使用される例




京都・新大阪間の新幹線自由席特急券。特別補充券による発券で、京都の事務管コード(△610116)および新大阪の事務管コード(△610155)が記載されている


マルスシステムや指定席券売機など、駅の自動券売機では表示されないため、旅客が直接目に触れる機会は少ない。出札係が事務管コードを記載しなければならない切符は、以下のように定められており、もっぱら補充券等に限られる。


旅程第199条(補充片道乗車券の発行方)によれば、他駅発の乗車券において記載することが定められている。また、補充往復乗車券(同203条)、補充連続乗車券(同206条)、補充定期乗車券(同209条)、特別補充券(同235条)についても記載しなければならない。その他の補充券でも、事務管コードを記載して常備式にすることがある(同181条)。


ただ、特別補充券による発券を除き、乙片(支社等に提出する片)には記載するものの、甲片(旅客に交付する片)には記載されない。このため、旅客が事務管コードに直接接することができるのは、特別補充券による発券の場合のみである。



事務管コードが付与されている駅・停車場


全国のJR線の駅、および特定都区市内すべてに付与されている[2]。また、JRと連絡運輸などを行っている私鉄や第三セクター、公営鉄道、バスにも設定されている[3]。JRは、鉄道・航路旅客運賃・料金算出表に、その他の会社線は社線運賃・料金算出表や旅客連絡運輸取扱基準規程別表に記載されている。


JR西日本の事務管理コードは、自社が乗り入れ又は管轄している路線の全駅に限り、JRおでかけネット上で判る。
各駅の駅情報のURLの末尾にある、7桁の番号である。[4]



国鉄・JR線の事務管コード



コード番号の仕組み


コード番号は6桁の数字で表示される[5]































国鉄・JR線の事務管コード
1桁目 2桁目 3桁目 4桁目 5桁目 6桁目

4
4
0
1
0
1
意味
地区
鉄道管理局
所属路線



  • 1桁目:国鉄9支社時代の区分

  • 2桁目:国鉄の鉄道管理局、JRの支社

  • 3,4桁目:その駅の所属路線によって割り当てられる

  • 5,6桁目:駅番号は下り方面に通し番号だが、新駅開業などで連続性が失われている場合がある



国鉄鉄道管理局・JR支社の番号


上二桁の番号は、以下のように割り振られている。













































































































































































国鉄の支社区分 上二桁の番号 主な鉄道管理局名
主なJR支社[† 3]
北海道
11
釧路鉄道管理局
JR北海道 釧路支社
12
旭川鉄道管理局
JR北海道 旭川支社
13
北海道総局本局
(札幌鉄道管理局)
JR北海道 鉄道事業本部
14
青函船舶鉄道管理局
JR北海道 函館支社
東北
21
盛岡鉄道管理局
JR東日本 盛岡支社
22
秋田鉄道管理局
JR東日本 秋田支社
23
仙台鉄道管理局
JR東日本 仙台支社
新潟
30
新潟鉄道管理局
JR東日本 新潟支社
関東
41
高崎鉄道管理局
JR東日本 高崎支社
42
水戸鉄道管理局
JR東日本 水戸支社
43
千葉鉄道管理局
JR東日本 千葉支社
44
東京北鉄道管理局
東京南鉄道管理局
東京西鉄道管理局
JR東日本 大宮支社
JR東日本 東京支社
JR東日本 横浜支社
JR東日本 八王子支社
45
(東京北鉄道管理局)
JR東日本 大宮支社
46
(東京南鉄道管理局)
JR東日本 東京支社
JR東日本 横浜支社
48
(東京西鉄道管理局)
JR東日本 八王子支社
中部
51
長野鉄道管理局
JR東日本 長野支社
52
静岡鉄道管理局
JR東海 静岡支社
53
名古屋鉄道管理局
JR東海 東海鉄道事業本部
54
金沢鉄道管理局
JR西日本 金沢支社
関西
61
大阪鉄道管理局
JR西日本 近畿統括本部
62
天王寺鉄道管理局
JR西日本 近畿統括本部
JR西日本 和歌山支社
63
福知山鉄道管理局
JR西日本 福知山支社
64
米子鉄道管理局
JR西日本 米子支社
65
岡山鉄道管理局
JR西日本 岡山支社
四国
70
四国総局
JR四国
中国
80
広島鉄道管理局
JR西日本 広島支社
九州
81
(該当なし)
JR西日本 福岡支社
91
九州総局本局
(門司鉄道管理局)
JR九州 本社鉄道事業本部
JR九州 長崎支社
92
大分鉄道管理局
JR九州 大分支社
93
熊本鉄道管理局
JR九州 熊本支社
94
鹿児島鉄道管理局
JR九州 鹿児島支社




  • 45・46・48から始まる事務管コードについては、JR東日本など一部の旅客鉄道会社では導入されているものの、他の旅客鉄道会社では、44から始まるコード番号を使用する場合が多い[6]

  • 事務管コードは制定された当初の鉄道管理局・支社を基準としているため、必ずしも一致するとは限らない。

    • 東北本線東大宮 - 白河間は高崎鉄道管理局だったが、事務管コード制定後に東京北管理局に移管されたがコードの頭2桁は「41」のままである。

    • 奥羽本線米沢 - 及位間は秋田鉄道管理局だったが、JR化後に仙台支社(←仙台鉄道管理局)となったため、事務管コードの頭2桁は「22」のままである。



  • JR化後の営業エリアに合わせて事務管コードが変更された駅も存在する。

    • 米原駅は名古屋鉄道管理局の管轄だったが、民営化直前に大阪鉄道管理局(→JR西日本 近畿統括本部[† 4])となったため、事務管コードの頭2桁は「53」から「61」に変更された[† 5]

    • 参宮線・名松線などは天王寺鉄道管理局だったが、JR化後にJR東海 東海鉄道事業本部(←名古屋鉄道管理局)となったため、事務管コードの頭2桁は「62」から「53」に変更された。

    • 中央本線坂下 - 洗馬間は長野鉄道管理局だったが、民営化直前に名古屋鉄道管理局(→JR東海 東海鉄道事業本部)となったため、事務管コードの頭2桁は「51」から「53」に変更された。

    • 大糸線中土 - 北小谷間は長野鉄道管理局だったが、民営化直前に金沢鉄道管理局(→JR西日本 金沢支社)となったため、事務管コードの頭2桁は「51」から「54」に変更された。



  • 「81」で始まる事務管コードは、国鉄時代に存在せず、JR化後に誕生した。これは、JR西日本福岡支社が管轄する駅のなかで、所属路線が同支社の管轄なのは、民営化後に開業した博多南線のみだからである。



特定都区市内制度などによる特定コード番号


旅程第199条(9)によれば、旅客営業規則(旅規)第86条の特定都区市内、旅規第87条の東京山手線内、および旅規第88条の新大阪・大阪発着となる場合も、コード番号(特定コード)が存在する。各事務管コードは、以下のようになっている[7]



























































特定都区市内名 コード番号

札 札幌市内
139901

仙 仙台市内
239901

区 東京都区内
449901

山 東京山手線内
449902

浜 横浜市内
449903

名 名古屋市内
539901

京 京都市内
619902

阪 大阪市内
619901
新大阪・大阪
619910

神 神戸市内
619903

広 広島市内
809901

九 北九州市内
919901

福 福岡市内
919902


会社線の事務管コード



コード番号の仕組み


コード番号は7桁の数字で表示される[8]。国鉄・JR線の事務管コードとは異なり、旅客連絡運輸規則別表や旅客営業取扱基準規程別表にコード番号の仕組みに言及する記述はない[† 6]。しかしながら、以下のような規則性は確認できる。
































会社線の事務管コード
1桁目 2桁目 3桁目 4桁目 5桁目 6桁目 7桁目

6
3
2
1
2
1
9
意味
鉄道・バス事業者
路線



  • 一部のバス事業者は、この規則によらないものもある。

  • 1桁目は、「5」「6」「7」「8」のいずれかである(1989年時点)
    • おおむね「5」は北海道・東北地方、「6」は関東地方、「7」は新潟・中部・関西地方、「8」は中国・四国・九州・沖縄地方[† 7]に付与されている。


  • 2桁目は、おおむね都道府県ごとに割り当てられているが、青森県のように複数割り当てられている場合もある。ただし、同じ鉄道事業者で複数の数字が割り当てられることはない。



駅・停車場以外の事務管コード


かつては、はとバスの「東京遊覧」や、琵琶湖汽船の「竹生島めぐり[† 8]」、京阪バスの「京都遊覧」など、周遊コースにも駅コードが割り当てられていた[† 9]



その他のコード番号


補充券で乗車券等を発行する場合、発駅または着駅のコード番号以外にも、経由駅や接続駅のコード番号を相当欄に記入する。甲片は旅客に、乙片は1旬ごとに、旅客鉄道会社の定める方法によって、支社等の電算処理担当箇所長あるいは情報システム室長に提出する。



経由駅コード


旅程186条の規定により経由線名を表示したものは、その経由線中の主要駅コード番号を、また経由駅名を表示したものについては、その当該駅コード番号を経由欄下段に記入する。このほか、新幹線や連絡社線を経由(通過)する場合は、以下のように表示する[9][10]




  • 新幹線を経由する場合
    • 当該乗車区間を「9-----」とし、新幹線の乗車駅と下車駅のコード番号を表示する。


  • 連絡会社線および自動車線を通過する場合
    • 当該乗車区間を「8-----」とし、接続となる旅客鉄道会社の乗車駅と下車駅のコード番号を表示する。



  • のぞみ号およびはやぶさ号に乗車する場合
    • 当該乗車区間を「5-----」とし、のぞみ号およびはやぶさ号の乗車駅と下車駅のコード番号を表示する。



  • グランクラスに乗車する場合
    • 当該乗車区間を「6-----」とし、グランクラスを利用する区間の乗車駅と下車駅のコード番号を表示する。




接続コード


連絡運輸の接続駅ごとに付与されているコードである。接続駅ごとに、4桁で構成されている。



貨物取扱駅コード



4桁で構成されるコード番号である。事務管コードとは、1桁目(国鉄の支社区分)以外の関連性はない。旅客向きの事務管コードはJR西日本管内及び関連する区間を除いてほとんど公開されていないが、貨物取扱駅コードは『貨物時刻表』にて公開されている。



脚注



注釈





  1. ^ ただし旅程において「コード番号」とは、接続コード番号や、列車・設備に対する番号も指す。


  2. ^ たとえばマルス画面のフルキーでは、「事務管」と表示されている


  3. ^ 国鉄の鉄道管理局とは異なり、JRの支社管轄は完全には一致しない


  4. ^ 民営化当初はJR西日本 近畿圏運行本部


  5. ^ 米原駅の事務管コードは下2桁も変更されている


  6. ^ 各旅客鉄道会社の内部で定められている可能性は否定できない


  7. ^ 1987年当時、那覇港、平良港、石垣港に連絡運輸の設定があった


  8. ^ 1987年当時、「琵琶湖縦断大津・彦根めぐり」、「琵琶湖縦断大津・長浜めぐり、「近江八景めぐり」の設定があった


  9. ^ 現在、こういった連絡運輸は廃止されているため、事務管コードも消滅したことが考えられるが、現行の旅客連絡運輸取扱基準規程別表が公開されていないため、不明である




出典





  1. ^ 穂積一樹(2016)『(改訂版)一般用特別補充券発行記入例(旅客鉄道会社編)平成28年3月26日現行』、チケットショップ弁天屋。


  2. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。


  3. ^ 旅客鉄道株式会社編(1987)『旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表』、中央書院。


  4. ^ 出典


  5. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』


  6. ^ 穂積一樹(2016)『(改訂版)一般用特別補充券発行記入例(旅客鉄道会社編)平成28年3月26日現行』、チケットショップ弁天屋。


  7. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』


  8. ^ 旅客鉄道株式会社編(1987)『旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表』、中央書院。


  9. ^ 運輸営業・帳票制度研究会編(1989)『旅客関係帳票記入例 出札(乗車券)編』、日本鉄道図書。


  10. ^ 穂積一樹(2016)『(改訂版)一般用特別補充券発行記入例(旅客鉄道会社編)平成28年3月26日現行』、チケットショップ弁天屋。




参考文献



  • 運輸営業・帳票制度研究会編(1989)『旅客関係帳票記入例 出札(乗車券)編』、日本鉄道図書。

  • 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。

  • 穂積一樹(2016)『(改訂版)一般用特別補充券発行記入例(旅客鉄道会社編)平成28年3月26日現行』、チケットショップ弁天屋。

  • 運輸研究会編(1999)『東日本旅客鉄道株式会社旅客関係単行規程集 平成11年5月20日現行』、日本鉄道図書。

  • 旅客鉄道株式会社編(1987)『旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表』、中央書院。

  • 日本国有鉄道(1984)『社線運賃・料金算出表 : 昭和59年4月1日現行』、中央書院。

  • 北海道旅客鉄道(2009)『北海道旅客鉄道株式会社旅客営業規則・旅客営業取扱基準規程 平成21年4月1日現行』、中央書院。



関連項目



  • 乗車券

  • 補充券

  • 連絡運輸

  • 旅客営業取扱基準規程

  • 貨物取扱駅コード




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