精神病質








































精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathyサイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。その精神病質者をサイコパス(英: psychopath)と呼ぶ。


精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)や疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)においては、反社会性パーソナリティ障害(Antisocial personality disorder/ASPD, dissocial personality disorder/sociopath)として分類されている。




目次






  • 1 定義


    • 1.1 特徴


    • 1.2 類似概念




  • 2 診断


    • 2.1 サイコパシー・チェックリスト(PCL)


      • 2.1.1 サイコパシー・チェックリスト (PCL-R) をめぐる論争




    • 2.2 その他




  • 3 原因


  • 4 管理


  • 5 疫学


  • 6 サイコパスの影響力


  • 7 フィクション


    • 7.1 小説


    • 7.2 映画




  • 8 文献目録


  • 9 脚注


    • 9.1 注釈


    • 9.2 出典




  • 10 参考文献


  • 11 関連項目


  • 12 外部リンク





定義



特徴


犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。




  • 良心が異常に欠如している

  • 他者に冷淡で共感しない

  • 慢性的に平然と嘘をつく


  • 行動に対する責任が全く取れない


  • 罪悪感が皆無


  • 自尊心が過大で自己中心的

  • 口が達者で表面は魅力的


オックスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンによると、サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、である[1]。現状では、チェックリストのみが診断基準であるので医学的にサイコパスと同じ状態であっても反社会性がなければサイコパスとはならない。反社会性などの診断基準を満たす者は幼少期からの素行問題など行動面の異常を示すことが多い[2]


日本国の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律・第5条に、「この法律で『精神障害者』とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義され、精神障害者に該当しつつ、保護の対象者と成る事を法的に認めているが、必ずしも全てが該当するとも言えず、時代相応の医学(科学)的な診断結果に基づいて判断される。


サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、であり、サイコパスの人間の大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者であるとされている。


しかし中程度以下のサイコパスであれば、社会的成功を収めることも多いとされている。サイコパスはその定義上、悪人とされる[3]。そして彼らが悪事に手を染める理由にはありとあらゆるものがあるとイェール大学の心理学専門家ポール・ブルームは断定している[3]



類似概念


類似する用語として、社会病質(しゃかいびょうしつ、英: sociopathyソシオパシー)、社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ、英: sociopathソシオパス)がある。行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格をソシオパス的人格、サイコパス的人格、性格神経症の三つに大別し、ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの、サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なものとして位置付けている[4]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[* 1]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。


注意点として、たとえばアスペルガー症候群が自閉的精神病質(ただしこの時代の自閉autismは統合失調の無為自閉と関連)と呼ばれていたように、「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。



診断



現在は20項目(『HARE PCL-R第2版テクニカルマニュアル』)が新たに定められ、それを用いて個別診断で半構造面接を行い2時間半 - 3時間かけて評定をする。


サイコパスは病気(いわゆる精神病)ではなく、ほとんどの人々が通常の社会生活を営んでいる。そのため、パーソナリティ障害と位置付けられており、日本では反社会性パーソナリティ障害と名称されている。しかし、以前は精神病質の定義についてはっきりとした概念がなかったことから、家庭内暴力を起こしたりする者に対して、精神病質であると一概にまとめられ精神科病院への収容がされてしまい、これらの人々に対するロボトミー手術などの不用意な脳外科手術が行われ、手術をされた患者の人格や精神上不安定になるなどが起こるなど、医療上の人権侵害が行われた[要出典]


精神病質と社会病質が混合されているが、ヘアによると精神病質と反社会病質は似て非なるものであると記している。精神病質の原因と考えられているのは前頭葉の障害であるとされ、健常者の脳波とはまるで違う脳波を見せる。精神病質は遺伝病だとされる意見が主とされている。逆に、家庭・周囲環境や障害に因る心身の衰弱によるものなどによる、精神病質に似た性格異常は仮精神病質(偽精神病質)とされ、精神病質とは識別されている。


エミール・クレペリン[* 2]によるとサイコパスのひとつに「空想虚言者」という類型がある。ただしクレペリンの時代の精神病質の概念は現在のものとはことなる。同様のものに「てんかん性精神病質」などがある。てんかん患者の一部に放火、虚言、詐欺、性器露出、破壊行為を行う一群があり、時にはその行為について追想できない、第三者のように三人称を用いて語り、行った事に関して責任や罪過観念を持たない、など[5]


DSM-IVでの行為障害や反社会性パーソナリティ障害の診断とPCL-Rで示されるサイコパス概念の違いは、人格というより、〈対人・情動〉、〈衝動的・反社会性行動〉、〈前2者に含まれない要素〉に着目することによってDSM-IVの診断を発展させたところにある。DSM-IVの診断では、単に反社会的行動をとる人たちという幅広い、それに至る多くの道があるという集団が同定されてしまう。



サイコパシー・チェックリスト(PCL)


最も一般的に用いられているのは、ロバート・D・ヘアによって作成されたサイコパシー・チェックリスト(英語版)Psychopathy Checklist, Revised (PCL-R))である[6][7][8]


PCLは専門家が使う場合でも相当に複雑な臨床診断の道具であり、自分自身やそばにいる人をこれを使って診断してはいけない。この診断にはしっかりした訓練と、正式な採点方法が必要である。


















































サイコパシー・チェックリスト (PCL)
1. 口達者/表面的な魅力 12. 乱交的な性関係
2. 過去におけるサイコパスあるいは類似の診断 13. 幼少期からの行動上の問題
3. 自己中心性/自己価値の誇大的な感覚 14. 現実的で長期的な計画の欠如
4. 退屈しやすさ/欲求不満耐性の低さ 15. 衝動性
5. 病的に嘘をついたり人を騙す 16. 親として無責任な行動
6. 狡猾さ/正直さの欠如 17. 数多くの結婚・離婚歴
7. 良心の呵責あるいは罪悪感の欠如 18. 少年時代の非行
8. 情緒の深みや感情の欠如 19. 保護観察あるいは執行猶予期間の再犯の危険が高い
9. 無神経/共感の欠如 20. 自分の行動に対する責任を受け入れることができない
10. 寄生虫的な生活様式 21. 多種類の犯罪行為
11. 短気/行動のコントロールの欠如 22. 薬物やアルコールの乱用が反社会的行動の直接の原因ではない

  • 各項目は、「0, 1, 2」の3点法で採点し、臨床的には合計点で評価する。点数が高いほどサイコパスの特質を多く持っていることになる。













































サイコパシー・チェックリスト改訂版 (PCL-R)[9]
1. 口達者/表面的な魅力 11. 放逸な性行動
2. 誇大的な自己価値観 12. 幼少期の問題行動
3. 刺激を求める/退屈しやすい 13. 現実的・長期的な目標の欠如
4. 病的な虚言 14. 衝動的
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 15. 無責任
6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 16. 自分の行動に対して責任が取れない
7. 浅薄な感情 17. 数多くの婚姻関係
8. 冷淡で共感性の欠如 18. 少年非行
9. 寄生的生活様式 19. 仮釈放の取消
10. 行動のコントロールができない 20. 多種多様な犯罪歴


  • それぞれの項目は、0 - 2点で評定、総計で0 - 40点に分布する。

  • 成人で30点を超えるとサイコパスとされ、20点未満であるとサイコパスではないとみなされる。

  • 子供のサイコパス傾向についての基準はあまり確立していないが、27点がカットオフ値。



サイコパシー・チェックリスト (PCL-R) をめぐる論争


サイコパシーの尺度の一つとして、PCL-Rは確かに有用ではあるが、PCL-Rが「サイコパスの定義」と誤解されることが危惧されており、特に犯罪歴に関する項目が含まれている点に関しては強い批判がある[10]。これに対して、ロバート・ヘアらは、「サイコパスであるためには、広義の意味で反社会的(英: antisocial)であることは必須であるが、犯罪的(英: criminal)であることは必ずしも必須ではない」と認めている[11]。これにより、かつてハーヴェイ・クレックレーがその著書「The Mask of Sanity(正気の仮面)」で示唆した、非犯罪的サイコパスないし“成功した”サイコパス[* 3]の存在が再認識された。



その他


サイコパスの2因子モデル





















































因子1:対人/情動面 因子2:衝動的/反社会的行動面 因子3:どちらにも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力 3. 刺激を求める/退屈しやすい 11. 放逸な性行動
2. 誇大的な自己価値観 9. 寄生的生活様式 17. 数多くの婚姻関係
4. 病的な虚言 10. 行動のコントロールができない 20. 多種多様な犯罪歴
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 12. 幼少期の問題行動
6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 13. 現実的・長期的な目標の欠如
7. 浅薄な感情 14. 衝動的
8. 冷淡で共感性の欠如 15. 無責任
16. 自分の行動に対して責任が取れない 18. 少年非行
19. 仮釈放の取消

サイコパスの3因子モデル



















































尊大で虚偽的な対人関係 感情の欠落 衝動的/無責任 どの因子にも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力 6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 3. 刺激を求める/退屈しやすい 10. 行動のコントロールができない
2. 誇大的な自己価値観 7. 浅薄な感情 9. 寄生的生活様式 11. 放逸な性行動
4. 病的な虚言 8. 冷淡で共感性の欠如 13. 現実的・長期的な目標の欠如 12. 幼少期の問題行動
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 16. 自分の行動に対して責任が取れない 14. 衝動的 17. 数多くの婚姻関係
15. 無責任 18. 少年非行
19. 仮釈放の取消
20. 多種多様な犯罪歴


原因


自らがサイコパスと同じ脳構造を持っているという脳科学者のジェームズ・ファロンは「三脚スツール」という3つの要因によってサイコパスが成り立つとしている。その3つとは「前頭前野から扁桃体へつながる機能の低下」「MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因」「幼少期の身体的、精神的虐待」で、それらがそろってサイコパスになると説明している[12]。ファロン自身が患っている疾患は双極性障害、強迫性障害、パニック発作。遠い親族に殺人者、殺人嫌疑者、兄弟にADHDがおり、本人の行為障害的行動についても語っている[13]。ロバート・レスラーの調査によると重要殺人者の2割にてんかん発作がある[14]。ジェームズ・ブレアは扁桃体の機能不全こそがサイコパスの主な原因とするが、その原因については不明としている。まれに頭部外傷や熱性けいれんなどによって扁桃体周辺の機能が消失する海馬硬化症が起こることがあり、その患者は多くてんかん発作を発症する。家族特性はサイコパスの行動面に影響を与えているようだが、どれもサイコパスの直接的原因ではなさそうである[15]



管理


英国国立医療技術評価機構(NICE)は精神病質の診断基準を満たす人口に対しては、認知行動介入を検討するとしている[16]。また併発疾患を治療することで、精神病質によるリスクを減少させることができる[16]


また、これに携わるスタッフは有害事象リスクが高いため、スタッフには高レベルの支援と厳重な監督が提供されなければならないとしている[16]



疫学


その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。北米には少なくとも200万人、ニューヨークだけでも10万人のサイコパスがいると、ヘアは統計的に見積っている[要出典]。J・ブレアはアメリカでは反社会性人格障害のうち4分の1がサイコパスであるとしておりその率は全体の0.25%である。[17]


先天的な原因があるとされ、ほとんどが男性であるとされるが[18]、B・ブレアによれば反社会性の面では男性優位であるが、情動面では男女に差はないという。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという[18]


ケヴィン・ダットンの調査による、サイコパスの多い職業の上位10位は次のとおり[1]




  • CEO

  • 弁護士


  • テレビやラジオのジャーナリスト


  • 小売業者

  • 外科医

  • 新聞記者

  • 警察官

  • 聖職者

  • コック

  • 軍人



マーサ・スタウトによれば、アメリカでは25人に1人(約4%)とされる。ただし、アメリカよりも犯罪率が極めて低い東アジアの国々では、定義上犯罪歴に関する項目に当てはまらない場合が多い為か、反社会性人格障害者の割合は極めて低くおよそ0.1%前後としている[19]


また、ヘアは、次のような職業の者に多いと推測している[20]





  • 金融商品関係者(金融商品仲介業者) (stock promoter)[20]


  • 政治家[20]


  • 警察関係者[20]

  • 中古車営業[20]


  • 傭兵 (mercenary)[20]


  • 弁護士[20]


また、他にも次のような者にも多いとしている[20]




  • 連続殺人犯[20]

  • レイプ犯[20]


  • 泥棒[20]


  • 詐欺師[20]

  • 暴力亭主[20]


  • ホワイトカラー犯罪者[20]

  • 株の悪徳ブローカー[20]

  • 幼児虐待者[20]

  • 非行少年グループ[20]

  • 資格を剥奪された弁護士や医師[20]

  • 麻薬王[20]

  • プロギャンブラー[20]

  • 犯罪組織構成員(マフィアのメンバーや暴力団員などのこと)[20]


  • テロリスト[20]


  • カルト教祖[20]

  • 金のためならなんでもやる人たち[20]



彼らの特性が原因で、サイコパスは、組織内の位置としては組織下層部よりも上層部に多いと考えられており、とりわけ企業に存在するサイコパスはコーポレート・サイコパス (corporate psycopath) と呼ばれ、長年安定して営まれてきた企業をときに破滅へと導く原因になり得ると考えられはじめている[21]


専門家によってサイコパスと考えられている実例として、人民寺院指導者 ジム・ジョーンズ[* 4]が挙げられる。


ソシオパス(ないし反社会性パーソナリティ障害)かもしれないが専門家によってサイコパスとは考えられていない実例として、テッド・バンディ[* 5]が挙げられる。


哲学・心理学協会(SPP)の前会長を務めていたイェール大学・心理学部教授Paul Bloom(英語版)氏は『羊たちの沈黙』で、アンソニー・ホプキンスの怪演でもお馴染みのハンニバル・レクター博士よりもスパイアクション映画の金字塔となっている『007』シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドの方こそ実社会におけるサイコパスの代表格であると主張した[22]



サイコパスの影響力


女性の心理学者が診断していた男性のサイコパスに恋して彼の逃亡を幇助したという話が知られている(『診断名サイコパス』,p.213-214)。


ロバート・ヘアは「世の中の全ての本を読んでも、サイコパスの破壊的影響力から守られるということはない。専門家も含めて、誰もが騙され、操られ、ペテンにかけられ、当惑の果てに取り残される。優秀なサイコパスは、どんな相手の心の琴線でも協奏曲を奏でることができる。」と述べている(『Without Conscience』,Ch.13 A Survival Guide, p.207)。


サイコパスと結婚した経験があり、『Just Like His Father? (父親と同じ?)』の著者でもあるリアン・リーダム精神科医は、「サイコパスと一緒に住むと、サイコパスと同じ視点で世の中を見るほどに変わりうるものなのでしょうか?」という問いに対して、「答えは確実にイエスです。それは、あなたが如何にサイコパスを知っていようとも、サイコパスと一緒に生活をする、しないに関わらず、サイコパスといかなる関係をもつときにも起こることです。」と述べている[23]


なぜサイコパスは魅力を有するのかという疑問のひとつの答えとして、南カリフォルニア大学における神経学的研究結果が挙げられる[24]。それによると、犯罪的な嘘つきは、通常の人と違い、脱抑制状態になることなく嘘をつけるようにできているという。


脳学者の中野信子は「サイコパスが一定割合で存在するのは、人類進化の過程で淘汰されずに生き残り、また人類の種の保存にプラスに働いたからかもしれない」としている[25]。いずれにせよ、人々の苦しみの不正義を観察した場合、出来事の認識を再編成するための1つの主要な方法は、苦しみの犠牲者を自業自得と解釈することである[26]



フィクション


犯罪(少年犯罪)を題材にしたフィクションの作品においてもサイコパス(またはソシオパス・反社会性パーソナリティ障害)の要素があるキャラクターが登場している。大抵はモラルが欠落した者(反社会性を持つ者)・犯罪者・サイコキラーとして登場している。



小説



  • 『アメリカン・サイコ』 (ブレット・イーストン・エリス著、角川書店)
    • 『アメリカン・サイコ』(2000年映画) - 上記小説を原作とした メアリー・ハロン監督の映画作品。


  • 『サイコ』(ロバート・ブロック著、創元推理文庫)
    • 『サイコ (1960年の映画)』(1960年) - 上記小説を原作とした アルフレッド・ヒッチコック監督の映画作品。


  • ハンニバル・シリーズ『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『ハンニバル・ライジング』(トマス・ハリス著、新潮文庫) - 精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクターをメインとしたシリーズ。それぞれ映画化やドラマ化されている。
    • 『刑事グラハム/凍りついた欲望』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『レッド・ドラゴン』『ハンニバル・ライジング』『ハンニバル』 - 上記シリーズを原作とした映画・ドラマ作品。


  • 『黒い家』 -(貴志祐介著、角川書店) - 夫婦が、保険金請求のため殺人を犯す。
    • 『黒い家』(1999年) - 上記小説を原作とした日本の映画。


  • 『悪の教典』 - (貴志祐介著、文藝春秋) - 主人公の蓮実聖司が、自身の凶行を隠滅するために学校内で生徒や教師を惨殺する。
    • 『悪の教典』(2012年) - 上記小説を原作とした日本の映画。


  • 『ゴーン・ガール』 - (ギリアン・フリン著、小学館文庫) - 哲学・心理学協会(SPP)の前会長を務めていたイェール大学・心理学部教授Paul Bloom(英語版)はこの作品を精神病質を扱った名著として勧めるが、実社会において悪は悪行を行った当人にとっての正義と言える場合が比較的多いと説明した[27]
    • 『ゴーン・ガール』(2014年) - 上記小説を原作とした デヴィッド・フィンチャー監督の映画作品。


  • 『名もなき毒』(宮部みゆき著、幻冬舎 - 女子社員が会社を辞められた腹いせに、主人公や社員に対するストーカーや嫌がらせを行う。
    • 上記小説を原作とした日本のテレビドラマ。


  • 『マオ 誰も知らなかった毛沢東』 ( ユン・チアン著、講談社)



映画



  • 『ゼイリブ』(1988年) - ジョン・カーペンター監督作品。

  • 『ウォール街』(1987年) - オリバー・ストーン監督作品。カリスマ投資家「ゴードン・ゲッコー」をマイケル・ダグラスが演じ、“成功した”サイコパス ("successful" psychopath) の一例とされる[28]

  • 『冷たい熱帯魚』(2010年) - 日本の映画。アマゾンゴールド社長・村田幸雄と村田の妻・村田愛子が、金のために殺人を犯す。

  • 『ナイトクローラー』(2014年) - 良心の欠如したフリーカメラマン・TVディレクターを題材とした映画。ダン・ギルロイ監督作品。



文献目録



  • ロバート・D・ヘア 『診断名サイコパス』 小林宏明訳、早川書房、1993年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
    ISBN 978-4-15-050241-6。

  • ジェームズ・ブレア 『サイコパス-冷淡な脳-』 福井裕輝訳、星和書店、2005年。
    ISBN 978-4-7911-0713-1。

  • 『良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖』 木村博江訳、草思社。
    ISBN 978-4-7942-1929-9。

  • 高橋紳吾 『サイコパスという名の怖い人々』 河出書房新社、1999年。
    ISBN 978-4-309-50185-7。

  • ロバート・D・ヘア、ポール・バビアク 『社内の「知的確信犯」を探し出せ』 ファーストプレス。
    ISBN 978-4-903241-57-9。

  • ケヴィン・ダットン 『サイコパス 秘められた能力』 NHK出版、2012年。
    ISBN 978-4-14-081602-8。

  • ジェームス・ファロン 『サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅』 影山任佐訳、金剛出版、2015年。
    ISBN 978-4-7724-1407-4。

  • 中野信子 『サイコパス』 文春新書、2016年。
    ISBN 978-4-16-661094-5。



脚注


[ヘルプ]


注釈





  1. ^ 『良心をもたない人たち』では、訳者あとがきにも述べられているように、ソシオパス、反社会性パーソナリティ障害、サイコパスがほとんど区別されていない。


  2. ^ 内田クレペリン精神検査の元となる「作業曲線」を発見した人物。


  3. ^ ただし、クレックレー自身は「部分的サイコパス(英: partial psychopath)」という言い方をしている。このタイプのサイコパスは、例えば、『社内の「知的確信犯」を探し出せ』において、「デイヴ」というキャラクターを用いて素人向けに説明されている。


  4. ^ ハーバード大学の専門家グループによる非専門家向けの啓蒙書『サイコパスとサイコパシーに関する考察:よくある質問に対する答えと事例 ("Thinking About Psychopath and Psychopathy: Answers to Frequently Asked Questions With Case Examples")』(2006) - iUniverse によれば、「ジム・ジョーンズが何の精神疾患を有していたかは多少の議論の余地はある。彼について知られている全てのことに基づいて言えば、彼は完全サイコパスであったように思われる」(同、148頁)とある。ジム・ジョーンズは、子供の頃から猫を殺してお葬式ごっこをするなどの行為障害がみられた(Stanley Nelson, “Jonestown: The Life and Death of the People’s Temple,” Fireflight Media, October 20 2006, compact disk, https://www.youtube.com/watch?v=ydHRESPjBxg.)が、成人後はインディアナポリス人権委員会(Indianapolis Human Rights Commission)委員長、サンフランシスコ住宅管理委員会(San Francisco Housing Authority Commission)委員長といった公職を歴任し、当時の大統領夫人ロザリン・カーター(Rosalynn Carter)の表敬訪問も受けている(Reiterman, Tim, and John Jacobs. Raven: The Untold Story of Rev. Jim Jones and His People. Dutton, 1982. ISBN 978-0-525-24136-2,p.66,p.266,p.303)ので、成功したサイコパスであったともいえる。ジム・ジョーンズは、成功したサイコパスと完全サイコパスが必ずしも相反する概念ではないことを示す好例である。


  5. ^ テッド・バンディは、サイコパシーのポスターボーイとして有名であるが、実際には少年期犯罪や早期の行為障害がなく、PCL-R の得点もサイコパスと呼ばれるには少し足りない。サイコパシーの特性を示さなかったわけではないが、典型的なサイコパスとはいえない(『Thinking About Psychopath and Psychopathy: Answers to Frequently Asked Questions With Case Examples』, p.204)。




出典




  1. ^ ab英国心理学者 サイコパスが多い職場上位10を発表


  2. ^ サイコパス-冷淡な脳-第二章

  3. ^ abMoralities of Everyday Life Week 2 Office Hours (2015) https://www.coursera.org/lecture/moralities/week-2-office-hours-2015-5Ohrr


  4. ^ Lykken, D. T. "The Antisocial Personalities", Psychology Press, 1 edition (May 3, 1995), 7頁。


  5. ^ エミール・クレペリン「躁うつ病とてんかん」みすず書房32-50p


  6. ^ Hare, Robert D.; Neumann, Craig S. (2008). “Psychopathy as a Clinical and Empirical Construct”. Annual Review of Clinical Psychology 4 (1): 217–46. doi:10.1146/annurev.clinpsy.3.022806.091452. PMID 18370617. http://www.hare.org/references/HareandNeumannARCP2008.pdf. 


  7. ^ Handbook of Personology and Psychopathology Stephen Strack, John Wiley & Sons, 21 Jan 2005. Chapter 15: Psychopathy as a Personality Construct (Ronald Blackburn).


  8. ^ Thinking about Psychopaths and Psychopathy: Answers to Frequently Asked Questions "What are the differences between the psychopathy definitions designed by Hare and by Cleckley?" Editor: Ellsworth Lapham Fersch. iUniverse, 30 Oct 2006


  9. ^ Hare RD. Manual for the Hare Psychopathy Checklist-Revised. Multi-Health Systems, 1991.


  10. ^ Skeem JL, Cooke DJ, "Is Criminal Behavior a Central Component of Psychopathy? Conceptual Directions for Resolving the Debate", Psychological Assessment, Volume 22, Issue 2, June 2010, Pages 433-445.


  11. ^ Hare RD, Neumann CS. "The role of antisociality in the psychopathy construct: Comment on Skeem and Cooke (2010)", Psychological Assessment, Volume 22, Issue 2, June 2010, Pages 446-454.


  12. ^ サイコパス・インサイド117p


  13. ^ サイコパス・インサイド33p 185p


  14. ^ ロバート・K・レスラー著『快楽殺人の心理』(文庫)82p


  15. ^ サイコパス-冷淡な脳-58p

  16. ^ abc英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.5.


  17. ^ サイコパス-冷淡な脳-、25p

  18. ^ ab日経サイエンス2013年2月号サイコパス特集


  19. ^ 良心をもたない人たちp18, p181

  20. ^ abcdefghijklmnopqrstuvwx『Snakes in suits』p194、診断名サイコパスp32


  21. ^ Clive R. Boddy (Aug 2011). “The Corporate Psychopaths Theory of the Global Financial Crisis”. Journal of Business Ethics (Springer) 102 (2): 255-259. doi:10.1007/s10551-011-0810-4. http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10551-011-0810-4. 


  22. ^ Moralities of Everyday Life
    https://www.coursera.org/learn/moralities/



  23. ^ Can victims become like the psychopath?(サイコパスの犠牲者はサイコパスのようになりますか?) http://www.lovefraud.com/2008/10/03/can-victims-become-like-the-psychopath/


  24. ^ Liars' Brains Wired Differently https://news.usc.edu/22586/Liars-Brains-Wired-Differently/


  25. ^ サイコパス,p.11


  26. ^ Lerner, M.J. & Montada, L. (1998). An Overview: Advances in Belief in a Just World Theory and Methods, in Leo Montada & M.J. Lerner (Eds.). Responses to Victimizations and Belief in a Just World (1–7). Plenum Press: New York.


  27. ^ Moralities of Everyday Life
    https://www.coursera.org/learn/moralities/



  28. ^ "Handbook of Psychopathy", Christopher J. Patrick PhD (Editor), The Guilford Press; 1 edition (October 18, 2005), 23, The "Successful" Psychopath, Jason R. Hall & Stepen D. Bennings, Conceptualization of noncriminal psychopathy, 460頁。




参考文献



  • CG77: Antisocial personality disorder: Treatment, management and prevention (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2009-01). http://www.nice.org.uk/guidance/cg77/. 


関連項目



  • サイコキラー

  • 反社会性パーソナリティ障害

  • 行為障害

  • パーソナリティ障害

  • ロボトミー

  • ロボトミー殺人事件



外部リンク



  • 精神病質(サイコパス)psychopath - サイコドクターぶらり旅

  • 精神病質人格の精神病理と精神力動 Psychopathology and psychodynamics of psychopathic personality





Popular posts from this blog

MongoDB - Not Authorized To Execute Command

How to fix TextFormField cause rebuild widget in Flutter

in spring boot 2.1 many test slices are not allowed anymore due to multiple @BootstrapWith