オングストローム








この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。





























オングストローム
ångström

水素分子
水素のファンデルワールス半径は1.2
記号
Å, Å, ÅE

メートル法 その他の非SI単位

長さ
SI
0.1 nm = 100 pm
定義
10-10メートル[1]
語源
アンデルス・オングストローム
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オングストローム(典: ångström, 記号:Å)は、長さの単位である。原子や分子の大きさ、可視光の波長など、非常に小さな長さを表すのに用いられる。


1Åは10−10m = 0.1ナノメートル(nm) = 100ピコメートル(pm) と定義されている。原子や分子の大きさ、また可視光の波長は数千オングストロームというオーダーとなることから、分光学などにおいて数値的に都合がよく、かつては広く使われていた。しかし、国際単位系はこの単位の使用を認めていない[2]


一物理量一単位を原則とする国際単位系(SI)では「その他の非SI単位」と扱われており、使用するときには「使う単位の定義を SI 単位で与えなければならない」としている[3](SI併用単位を参照)。


日本の計量法は、「電磁波の波長、膜厚又は物体の表面の粗さ若しくは結晶格子に係る長さの計量」にのみオングストロームを使用することを認めており[4]、それ以外の用途(取引、証明)に用いることはできない。


SI単位ではないため、理化学分野、工業分野、教育分野で積極的に使われることはないが、その利便さから今日でもオングストロームを用いることがある。




目次






  • 1 記号


  • 2 歴史


  • 3 符号位置


  • 4 脚注





記号


オングストロームの記号は、日本の計量法でも国際単位系(SI)でも同じであり、それは、大文字の「A」の上部に小さいリングを付したものである[5]



歴史


分光法の先駆者であるスウェーデンの物理学者アンデルス・オングストロームが、1868年に 10-10 m を単位として使ったことに由来する。ただし、特に単位名称は名づけなかった。のちに、その単位がオングストローム単位 (ångström unit) と呼ばれ、さらにオングストロームと略されるようになった。


オングストロームが使った単位は 10−10 m であったが、当時メートル原器で定義されていたメートルより高精度の長さの単位が分光学では必要とされていた。そのため、1907年、国際天文学連合 (IAU) が初めてオングストロームを国際標準として定めたとき、国際オングストローム (international ångström) を、「カドミウムの赤線の指定条件下における波長の1/6438.4696」と再定義した。1927年に国際度量衡局 (BIPM) もこれを採用した。メートルの精度が低かった時代は、この定義は 10-10 m とする定義と矛盾することはなかった。


1960年、メートル自体もクリプトンの橙色線の波長から分光学的に再定義され、国際オングストロームと同等の精度を持つようになった。しかし、国際オングストロームを新しく定義されたメートルで表すと、1.0000002×10-10 m となったため、10-10 m とされるオングストロームと2つのオングストロームが並立することとなった。





符号位置
























記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+212B 1-2-82


オングストローム
ANGSTROM
Å U+00C5 1-9-18
Å
Å
Å
LATIN CAPITAL LETTER A WITH RING ABOVE

オングストロームの単位記号 "" はリング付きの大文字A "Å" に由来するが、UnicodeやJIS X 0213ではそれぞれ別の文字として定義されている。なお、JIS X 0208にはオングストローム記号のみが2区82点に定義されている。Unicodeのオングストローム記号は、既存の文字コードとの互換性のために用意されている互換文字である。Unicode標準では、この文字の代わりに「リング付きの大文字A」を使うことを推奨している。「次の3つの文字様記号は、普通の文字と正準等価である: U+2126 ohm sign, U+212A kelvin sign, and U+212B angstrom sign。これら3つの全ての文字については、普通の文字が使われなければならない。」[6]



脚注




  1. ^ 計量単位令 別表第六 項番2、オングストローム、メートルの百億分の一


  2. ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[1]p.40 表8 その他の非 SI 単位、注(c)


  3. ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[2]p.40 表8 その他の非 SI 単位


  4. ^ 計量単位令 別表第六 項番2、オングストローム、メートルの百億分の一


  5. ^ 計量単位規則 別表第4(第2条関係) オングストロームの欄


  6. ^ The Unicode Standard, Version 8.0. Mountain View, CA, USA: The Unicode Consortium. (August 2015). ISBN 978-1-936213-10-8. http://www.unicode.org/versions/Unicode8.0.0/ch22.pdf 2015年9月6日閲覧。. 





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