オリオンビール
![]() |
この記事には複数の問題があります。改善やノートページでの議論にご協力ください。
|
![]() | |
![]() オリオンビール本社 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 | ![]() 〒901-2551 沖縄県浦添市字城間1985-1 |
設立 | 1957年(昭和32年)5月18日 沖縄県名護市 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 7360001008504 |
事業内容 | ビール及び発泡酒の製造販売、清涼飲料の仕入販売 |
代表者 | 代表取締役会長 嘉手苅義男 代表取締役社長 與那嶺清 |
資本金 | 3億6,000万円(2011年6月28日時点) |
発行済株式総数 | 72万株(2011年6月28日時点) |
売上高 | 283億1700万円(2018年期) |
営業利益 | 30億4500万円(2018年期) |
経常利益 | 37億1300万円(2018年期) |
純利益 | 23億700万円(2018年期) |
純資産 | 667億4100万円(2018年期) |
総資産 | 連結:423億2,651万7,000円 単独:430億8,189万7,000円 (2011年3月31日時点) |
従業員数 | 連結:182人 単体:148人 (2011年3月31日時点) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | アサヒグループホールディングス 10% 合資会社幸商事 8.5% ざまみダンボール7.45% 比嘉良雄 5.85% 沖縄土地住宅4.72% 大同火災海上保険4.3% |
主要子会社 | (株)ホテルロイヤルオリオン 100% オリオン嵐山ゴルフ倶楽部(株) 100% (株)石川酒造場 60.7% |
関係する人物 | 具志堅宗精 |
外部リンク | オリオンビール |
特記事項:会社情報はEDINETの有価証券報告書から |
オリオンビール株式会社(英語: Orion Breweries, Ltd.)は、沖縄県に本拠を置く、日本の大手ビールメーカー。ビールのブランドである「オリオンドラフト」を指して「オリオンビール」と称することもある。シェアでは日本国内第5位。
目次
1 概要
1.1 オリオンハッピーパーク
2 歴史
3 銘柄
3.1 自社ブランド
3.2 アサヒビールとの共同開発商品
3.3 アサヒビールからの委託製造商品
3.4 ビールテイスト飲料
3.5 ソフトドリンクシリーズ
4 関連会社
5 関連項目
6 出典・脚注
7 外部リンク
概要
日本のビール大手5社(麒麟麦酒・アサヒビール・サッポロビール・サントリー・オリオンビール)中のシェアは0.9%と全国的には他社の後塵を拝しているものの、沖縄県では最大のシェアを誇り、本土復帰直前の最盛期には県内市場の9割[1]、ないし8割以上を押さえ[2]、現在でも5割を超すシェアをもつとされる[3]ことから、いわば「県民ビール」として定着している。沖縄県内シェアは、オリオンビールによれば55-56%(2003年(平成15年)度実績、アサヒビール委託分を除く)。
2005年(平成17年)度の売上構成はビール・発泡酒類99%、清涼飲料水1%となっている。沖縄本島北部の名護市に唯一の生産工場を持ち、そのため「名護ぬ水小(なごぬみじぐぁー)=名護の水」とよばれている。沖縄県では大手の企業であるため、文化事業(各種イベント)等の協賛にも寄与している。沖縄県のイベントのほとんどに協賛しており、オリオンなくしてイベントは成り立たないといわれている。また、これらのイベントがアーティストの発掘や育成につながっており、文化創造に大きな役割を果たしている。最大のイベントはオリオン・ビアフェスト(ビアフェスト)である。
オリオンハッピーパーク
ビール製造の見学ができる。
歴史

オリオンビール名護工場
アメリカ合衆国統治下の1957年(昭和32年)5月18日に、社会経済復興には第二次産業(製造業)を興さなければいけないという志から、当時から名水が湧出していた名護町(現在の名護市)で沖縄ビール株式会社として設立された。当時の資本金5000万B円。1957年5月時点での日本円とのレートは3円 = 1B円だったため、現在は創立時は資本金1億5000万円と表記されることがある。
同年11月1日にブランド名を県民に懸賞金付募集広告として新聞で公募を行い「オリオンビール」と名付けられた。ちなみに賞金は1等1万B円、2等3,000B円、3等2,000B円、当時としては破格の高額だった。なお、「募集広告」と「命名決定・賞金授与者」の各告知広告のコピーは名護工場の見学コースに掲示してある。その後、1959年(昭和34年)6月に社名も「オリオンビール」に変更した。
1959年に生産開始。当初は他の日本の大手ビールの勢力が強く苦戦するが、製品をそれまでのドイツ風ビールから沖縄の気候を考慮した[4]、アメリカ風ビールに切り替えると共に、県内全域で営業活動を行った結果[1]、県内シェア1位となる。
1972年(昭和47年)本土復帰の際、期限付きで沖縄県内のみ酒税が減免される優遇措置がとられたため、これもオリオンビールに有利に働いた。優遇税率は5年間の時限措置だったが、5年ごとに見直されるだけで延長が繰り返され、現在も県内出荷向けに限り、ビールが本土の酒税と比べて20%軽減されている。軽減額は、2004年(平成16年)度実績でビールが約14億円。
当初はビールのみを製造していたが、他のビールメーカーが発泡酒などで攻勢をかける中、多品種のビール、発泡酒、ソフトドリンクなどを発売して応戦し、多品種少量生産となって生産コストが上昇した。また、販路拡大のためには、税の優遇がなく、輸送費がかかる本土(または海外)への進出が必要になるが、拡大戦略はなかなか進まなかった。
そのような中、2002年(平成14年)の酒税優遇措置再延長の議論の際、自民党税調および財務省からの発言で、2007年(平成19年)5月での優遇措置廃止が既定路線となっていた。実際には知事交代により5年間再延長された。優遇措置廃止は即ち価格競争力の低下を意味するため、2002年(平成14年)に大株主でもあるアサヒビールと提携関係を結ぶこととなった。現在は、オリオンビールが沖縄消費分のアサヒスーパードライの一部商品を生産し、アサヒビールが沖縄県外(奄美群島を除く)でのオリオンビールの一部商品の販売を行うようになっている。近年では、県外でもアサヒビールのルートを通じ販売され、また、沖縄料理店を中心にオリオンビールが提供されることが多くなっており、2013年のインタビューで、関係者は「県外向けの出荷量は、ここ6年間で倍増しました」と述べている[4]。
2016年、初の海外拠点となる営業所を台湾に開設[5]。
2017年、4月、農林水産省「輸出に取り組む優良事業者表彰」食料産業局長賞受賞した。5月には創立60周年特別醸造「ドラフトエクストラ」限定発売。
2019年1月23日、野村ホールディングス(HD)と米投資ファンドのカーライル・グループは、オリオンビールを共同で買収すると発表し、オリオンの取締役会も同日、買収に賛同すると表明した。今後は、アジアなど海外での販路拡大を図る。アサヒビールとの提携関係は維持される方向である[6]。
銘柄
(2019年(平成31年)1月現在)
- 現在発売されているオリオンブランドのビール類商品のうち、麦職人・ゼロスターを除く商品はいずれも沖縄県・奄美群島以外ではアサヒビールが「アサヒ オリオン(商品名)」として季節・数量限定(オリオンドラフトのみ通年発売)で発売している。
自社ブランド
オリオンドラフトビール | |
---|---|
![]() グラスにつがれたオリオンビール。2007年4月にリニューアル時に、上部の濃い金色の部分が、背景色と同じ色になる小変更が行われている | |
基本情報 | |
種類 | ビール |
スタイル | ピルスナー |
度数 | 5%[7] |
主原料 | 麦芽、ホップ |
副原料 | 米、コーン、スターチ |
原産国 | ![]() |
原産地 | 沖縄県 |
製造元 | オリオンビール |
詳細情報 |
ビール
- ドラフトビール - 2015年7月に味とデザインをリニューアル。沖縄・奄美群島以外では「アサヒオリオンドラフト」としてアサヒビールが販売。
- いちばん桜(季節限定醸造ビール) - 2002年(平成14年)度から販売されているが、2004年(平成16年)度まではドラフトの季節デザインだった。2005年(平成17年)度以降は季節限定醸造ビールとなり、2006年(平成18年)度以降は麦芽100%(アロマホップ)になった。2012年(平成24年)度には、缶デザインを白基調から水色基調に一新している。2010年(平成22年)度から、350ml缶に加え、中瓶も販売されているが、中瓶は背景色が白で、デザイン変更はされていない。なお2013年(平成25年)度以降それまでより早く前年末から発売されている。2009年(平成21年)より、沖縄・奄美群島以外でアサヒビールが「アサヒ オリオンいちばん桜」として数量限定で販売している。
- 夏いちばん(季節限定醸造ビール) - 2013年(平成25年)より夏季限定で発売されている、いちばん桜の夏バージョンともいえる商品。原料は麦芽、ホップ、米。ドラフトビール比で麦汁を1.2倍とし、丁寧にうまみを抽出しているほか、ホップはアロマホップを100%使用し、夏にふさわしい爽やかな味わいに仕上がっている。ラインナップは350ml缶のみ。2014年(平成26年)より、いちばん桜同様アサヒビールが「アサヒ オリオン夏いちばん」として数量限定で販売を開始している。
- ドラフト エクストラ(季節限定醸造ビール) - 2017年(平成29年)に創立60周年記念ビールとして発売。沖縄県産サトウキビから精製したキビ糖を使用する事により、高発酵醸造を実現したビール。以後も季節限定(「夏いちばん」と「いちばん桜」の中間時期が目安)で発売。2018年(平成30年)よりアサヒビールでも発売。
発泡酒
- 麦職人
- ゼロスター - プリン体、及び糖質0の商品。
第3のビール
- オリオンサザンスター - リキュール類。「第四のビール」ともいう。
- オリオンゼロライフ - 同上。2011年(平成23年)より販売開始。糖質0・プリン体60%オフの機能系新ジャンル。『平成23年度沖縄県推奨最優秀優良県産品賞』受賞商品。
- オリオンスペシャルエックス - 同上。発泡酒として販売されていた「オリオンスペシャル」の実質的な後継商品。
- 贅沢気分 - 同上。2017年(平成29年)10月より販売開始。
アサヒビールとの共同開発商品
- シークヮーサーのビアカクテル
- アルコール5.5%、県産シークヮーサーを0.2%使用[8]。発泡酒。アサヒでは2015年4月に発売、オリオン側では同7月に発売。以降、毎年季節限定商品として販売。
- パイナップルのビアカクテル
- シークヮーサーに続く第2弾として2017年より季節限定で発売。沖縄産パイナップルを使用。
- マンゴーのビアカクテル
- シークヮーサー、パイナップルに続く第3弾として2018年より季節限定で発売。沖縄産マンゴーを使用。
- オリオン ちゅらたいむ
- オリオンビールとアサヒビールの共同開発で、当初は沖縄・奄美諸島以外ではアサヒが「沖縄だより」として発売。期間限定、350ml缶のみの販売。発売初年の2013年はオリオン側での発売はなかったが2014年よりオリオン側でも発売を開始することになった[9]。以降、季節限定商品として発売される。第3のビール。2018年はアサヒ側でもちゅらたいむとして発売する。
アサヒビールからの委託製造商品
アサヒスーパードライ(350ml缶、500ml缶、10L樽、20L樽のみ委託製造。ただし中瓶、大瓶、特大瓶は沖縄県下ではアサヒビール博多工場〈福岡市〉製の物を販売)
ビールテイスト飲料
- オリオン クリアフリー
ソフトドリンクシリーズ
- オバァ自慢のさんぴん茶
- 茶願寿
- ORIONレモンティー
- ORIONトマトジュース
- ORION烏龍茶
- ORIONアクアビート
関連会社
アサヒオリオン飲料(オリオンビールとアサヒ飲料の合弁会社。沖縄バヤリースの事業を継承している)
沖縄セルラー電話(KDDIの連結子会社。KDDI同様auブランドを展開する。なお、オリオンビールはこの企業の主要株主でもある)
ザ・テラスホテルズ(オリオンビールと同じ名護市内にあるホテル。また、同社の主要株主でもある)
ホテルロイヤルオリオン那覇市内、国際通り入口にあるホテル。[10] - 西洋環境開発(セゾングループ)と共同出資していた。
ホテル オリオン モトブ国頭郡本部町内にあるホテル「ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ」を運営。- オリオンレンタカー
- オリオン嵐山ゴルフ倶楽部
- 石川酒造場
関連項目
オリオンスーパーベースボール(草野球の沖縄一を決める大会、同社が特別協賛を務めている)
トヨタ日曜ドキュメンタリー 知られざる世界(沖縄テレビ放送にネットしていた時代「トヨタ日曜ドキュメンタリー」の部分を「オリオン月曜ドキュメンタリー」と改題して放送)
BEGIN(代表曲の1つに「オジー自慢のオリオンビール」(CMにも使われた)があり、同名の限定絵柄缶がある)
たま(「オリオンビールの唄」という曲がある)
サザンオールスターズ(「神の島遥か国」の歌詞に登場する)
比嘉鈴代(QAB琉球朝日放送アナウンサー。入社前にキャンペーンガールをしていたことがある)
BENI(安良城紅)(2006年 - 現在、商品であるサザンスターのイメージガールとしてCMに出演。CMソングである『Southern Star』を手がけている)- オリオンキャンペーンガール
Manami(2010年11月 - 6月、商品であるサザンスターのCMソングに抜擢。『Miss Littele Voice』2011年(平成23年)3月よりCMに出演。2011年6月 - 現在『ベストフレンド』で出演中。
メットライフドーム (埼玉県所沢市。オリオンビールの広告を掲示している)
ZOZOマリンスタジアム (千葉県千葉市。オリオンビールのフェンス広告を掲示している)
JR九州ホテルズ(那覇市牧志の自社所有土地・建物を同社へ賃借し、2017年6月24日に「JR九州ホテルブラッサム那覇」として開業)
出典・脚注
- ^ ab“オリオンビール社長・金城名輝 地域と共に:中(ビジネス戦記)”. 朝日新聞・夕刊: p. 9. (2000年1月15日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
^ “沖縄、「3K」脱却が課題 公共事業・観光・基地に経済依存”. 朝日新聞・朝刊: p. 9. (2002年5月15日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
^ 奥村智司 (2013年1月18日). “(沖縄の40年 ルート58)名護市 夢と飲む、ほろ苦ビール”. 朝日新聞・西部朝刊: p. 29 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ ab“(ロングセラーのひみつ)オリオンビール 沖縄仕込み、爽快な味わい”. 朝日新聞・西部朝刊: p. 26. (2013年1月18日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
^ 照屋剛志 (2015年11月9日). “オリオンビールが台湾に営業所 来年、初の海外拠点”. 沖縄タイムス社. 2016年3月4日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2015年11月9日閲覧。
^ “オリオンビール570億円買収、野村HD・米投資ファンド” (日本語). YOMIURI ONLINE(読売新聞). 読売新聞 (2019年1月24日). 2019年1月30日閲覧。
^ “商品ラインナップ”. 2017年4月9日閲覧。
^ たびらい編集部 (2015年4月22日). “オリオン・アサヒビールが沖縄県産シークヮーサー使用のビアカクテルを全国で販売”. たびらい http://www.tabirai.net/. 株式会社パム. 2015年4月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2015年4月30日閲覧。
^ 参照リンク
^ 2006年3月31日まではホテル西武オリオン。
外部リンク
- オリオンビール株式会社
オリオンビール - Facebook
- びあ・ぶれいく
ホテルロイヤルオリオン - 旧・ホテル西武オリオン
|