タップアウト

腕挫十字固をかけられた下の兵士が右手で相手を叩き、タップアウトを示している。
タップアウト(Tap Out)は、格闘技における用語の一つである。「ギブアップ」、「タップ」も同義の言葉である。柔道では「参った」という。
目次
1 概要
2 方法
3 特徴
4 関連項目
概要
柔術、柔道、プロレスや総合格闘技などの格闘技における試合の決着方法の一つである。極技などの練習や乱取りの時においても同様である。
関節技や絞め技等、体を固定することによってダメージを与えられる技を受けた時、あるいはアクシデント等が原因で、技を受けている選手が戦意喪失・試合続行不可能と判断した場合に、レフェリー・審判員に対して降参の意思表示をすることにより試合を決着する。タップアウトをした選手はその時点で敗北となる。
方法
意思表示法は、自らの動かせるほうの手または足で相手の体、もしくは畳やマットを2回ないし3回叩くことが一般的である。口頭やその他の動作で意思表示をする方法もある。
特徴
打撃等でのノックアウトやピンフォール負けとは異なり、タップアウトは選手自らの意思で敗北を認める行為である。畳やマットを叩いた場合、稀にレフェリーや相手選手がタップを見逃すことがあるが、ビデオ撮影されているケースも多く、タップアウトした選手が嘘をつくケースはまずない(例外のケースとしてはムリーロ・ブスタマンチの項目を参照のこと)。
プロレスでは、悪役レスラーなどが「俺はギブアップしていないのにレフェリーの陰謀あるいは誤審で負けにされた」と主張して抗争継続のネタにする場合もある。
タップアウトは前述のように選手自ら負けを認める行為であるため、それを潔しとせず極まった技に耐え続ける選手もいる。このような場合で選手の身に危険が及びかねない時には、レフェリーやセコンドが試合を停止させることもある。これを「レフェリー・ストップ」または「見込み一本」と呼ぶ。アマチュア格闘技である柔道国際ルールにおいては見込み一本はとらず選手が気絶するか骨折または脱臼すると一本となる。脱臼も関節技以外(例えば投げ技)が原因の場合は一本やレフェリーストップはとらないことになっている。柔道講道館ルールでも男子は1966年から、女子は1995年から原則、見込み一本はとらなくなった。一方、プロの総合格闘技では気絶、脱臼、骨折以外でも度々見込み一本がとられている。
アントニオ猪木がアクラム・ペールワンとの異種格闘技戦でアクラムの腕を「本当に」折ってしまったのは、そのような状況でレフェリーがいち早く試合を止めなかったためである。
また、プロレスの三本勝負では、一本目や二本目で関節技が極まると、「どうせ外したりロープ・ブレークしたりできないのなら、早くギブアップした方がダメージが残らず賢い」といわれていた。
関連項目
- 極技
- 固技
- 寝技
- ピンフォール
- ノックアウト